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労働党大会、金正恩第1書記を党最高位推戴 「社会主義完成の新たな道」

登録:2016-05-06 22:51 修正:2016-05-09 06:47
厳しい情報統制の中、第7回党大会開会辞 
「水素爆弾、光明星発射で尊厳輝かせ」 
「唯一領導体制」強固化の宣言を予告 
中国「非核化と平和安定を希望」と論評
スーツにネクタイ姿の金正恩第1書記が6日、北朝鮮の平壌4・25文化会館で開かれた労働党第7回大会の開会辞をしている。金第1秘書の左右に金永南・最高人民会議常任委員長(左)と黄炳瑞・人民軍総政治局長がいる=朝鮮中央テレビからキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮労働党第7回大会が6日、雨が降る中、平壌(ピョンヤン)で開会した。

 金正恩(キムジョンウン)労働党第1書記は同日夜、朝鮮中央テレビを通じて放映された党大会開会辞で、「今回の党大会が、全ての代表者同志の政治的決議の中で円満に遂行されることで、我が党と革命の発展の明確な足跡を残す歴史的大会として、主体革命を早めるための総進軍会議になることを確信し、朝鮮労働党第7回大会の開会を宣言する」と明らかにした。金第1書記はまた、「今回の党大会は、光栄なる金日成(キムイルソン)・金正日(キムジョンイル)主義の党の強化発展と社会主義偉業の完成に向けた闘争として、新しい道しるべを用意する歴史的な契機になる」と述べた。

 さらに金第1書記は「党第7回大会が開かれる今年、我々の軍隊と人民は、五千年の民族史に特記すべき大事変となる初の水素爆弾の試験と地球観測衛星光明星4号の打ち上げの大成功を成し遂げ、主体朝鮮の尊厳と国力を最上の境地で輝かせており、天をも衝くその勢いで衷情の70日戦闘を力強く繰り広げ、社会主義建設の全域で輝く偉勲を創造し、前例のない努力による成果を成し遂げた」と述べた。

 党大会を取材するため平壌に滞在している米CNN放送や英BBC放送なども、金第1書記をはじめとする「3千人の党員が参加」(北朝鮮当局者の証言)した中で、午前9時30分から党大会が始まったと報じた。北朝鮮官営の朝鮮中央通信もこの日、同日夜、党大会の開催事実だけを短く伝えた。

 AFP通信は、外国記者たちの会場内部への接近が禁止されており、写真や映像は会場から200メートル離れて撮影するよう制限されたと報じた。CNNと共同通信は、「行事をめぐる秘密主義が続いている」、「(平壌に来た)120人の(海外メディアの)報道陣は翻弄された」と(北朝鮮当局の措置を)批判した。洪磊・中国外交部報道官は同日午後のブリーフィングで、「私たち(中国)は、(北)朝鮮が国家発展と人民の幸福を実現することを望んでいる」とした上で、「朝鮮が国際社会の(非核化の)呼びかけに耳を傾け、東アジアの平和安定を共に実現することを希望する」と述べた。

36年ぶりに開かれる北朝鮮第7回労働党大会開幕日の6日(現地時間)、外信記者らが会場の平壌4・25文化会館付近で写真を撮ったり関連の記事を報道している/AP連合ニュース

 政府関係者は、党大会初日のこの日は開会辞→党中央委員会の事業総括→議論の手順で大会が進められただろうと推定した。その中心となるのは、金正恩第1書記が直接報告する党中央委事業総括だ。事業総括報告では、直前の第6回党大会(1980年10月)以来、36年間の労働党事業を決算し、政治・経済・対南・対外分野の新たな政策路線と方向が提示される。これまでの前例によると、金第1書記の事業総括報告の内容は、労働党機関紙の労働新聞の7日付に全文が掲載されるものと見られる。第6回党大会の際には、金日成主席が大会2日目の10月11日に6時間近く事業総括報告を行っており、その内容が翌日の労働新聞に13面にわたり掲載された。

 北朝鮮当局とメディアは党大会の進行状況を公開していないが、同日の労働新聞は党大会で議論される内容を、事実上、事前に伝えていた。労働新聞は、1面トップ記事の「社説」を通じて、今回の党大会で「新たな主体100年の水端で、敬愛する(金正恩)元帥の唯一的領導体系がしっかり築かれるようになった」と明らかにした。また、「全党が敬愛する金正恩同志と思想と息も足取りも共にする一つの有機体として、老熟で洗練された政治的参謀部としてさらにしっかり組織された」と付け加えた。

 党大会を通じて「金正恩唯一領導体制」を強固なものにすると共に、労働党が金第1書記と呼吸を合わせる「金正恩世代」を中心に再編成されるという予告だ。

 これと関連し労働新聞は、「これまで世界社会主義運動の中に示された革命の裏切り者によって、労働者階級の首領たちの権威が著しく毀損されたことについて、非常に心が痛む」としながら、「革命業績を受け継いで輝くところに社会主義偉業の最後の勝利がある」と主張した。

5日、北朝鮮の平壌の街角に「朝鮮労働党第7回大会」の開催を知らせる看板がかかっている=AP/連合ニュース

「一つの有機体として参謀部組織され」 
金正恩第1書記を中心とした組織の世代交代を予告 

北朝鮮、夜になってようやく「開会」を事実だけ短く報道 
会場内部への接近禁止・撮影制限 
海外メディア「秘密主義・報道陣を翻弄」と批判 
国家情報院、党大会が3、4日間続くと予想

 労働新聞は、第7回党大会を「勝利者の大会」と宣言した。第6回党大会以来、「朝鮮労働党が勝ち取った偉大な勝利は、社会主義をしっかり守護したこと」であり、「朝鮮労働党が成し遂げた最大の成果は、首領の偉大な思想と偉業を輝かしく継承し、発展させたこと」だということだ。 「体制維持」と「金日成→金正日→金正恩の権力継承の成功」が「勝利」であるとの主張だ。北朝鮮は金日成がソ連派と延安派を権力の中心から除去し、一元的支配体制を構築したことを宣言した第4回党大会(1961年9月)を「勝利者の大会」と宣言した。

 労働新聞は、各分野の具体的な政策方向を規定する思想基調として「自主・先軍・社会主義」を、戦略基調として「人民重視、軍隊重視、青年重視の3大戦略」を提示した。労働新聞は、「わが党は、国防力の強化に最大の力を込め革命武力発展の最盛期を開いた」とし、「先軍の道、(経済・核武力の建設)並進の道」を重ねて強調した。

 また労働新聞は、「今は我が国(北朝鮮)の地位が完全に変わっており、祖国を世界で最も強く、豊かな国にしようという党の理想と抱負を全面的に実現できる強力な基盤が構築された」とした上で、「今回の党大会は、(中略)最大の速度で、社会主義強盛国家建設の偉業を輝かしく完成するための輝かしい設計図を広げることになるだろう」と主張した。

第7回労働党大会開幕日6日、平壌の金日成広場に花束を持って集まった市民が傘をさしたまま行事の開始を待っている=平壌/ AP聯合ニュース

 労働新聞は、党大会を控え、2月23日から(党中央委政治局会議の決定で)始まった「衷情の70日戦闘」が「計画の144%を上回る成果を上げ」ており、「工業生産が前年同期に比べて1.6倍」を達成したとしながら、「自力自強の万里馬の精神を全世界に見せつけた偉大な勝利」と自賛した。北朝鮮最高人民会議常任委員会は5日、歌『羨むことなんて何もない』が「人民の幸せな生活を格調高く謳った永遠の首領賛歌」であるとして、「金日成賞」と「金正日賞」を授与するという政令を発表した。

 国家情報院は、第7回党大会が3、4日間にわたり行われると予想した。7日または8日には、党中央検査委員会の事業総括報告や労働党規約改正のための討議、決定書の採択などが、大会の最終日には党中央委員と候補委員の選出などが行われる見込みだ。前例からして、群衆大会など、党大会の付帯行事が行われる日には党大会公式会議が開催されない。1980年10月の党創建35周年記念で開かれた第6回党大会は5日間開催されており、大会2日目の10月11日に平壌の金日成広場で100万人が集まった群衆大会が、大会最終日の10月14日にモランボン競技場で集団体操の行事が行われた。(韓国)情報当局は、今回の第7回党大会を控え、大規模な群衆大会を準備する情況は見られなかったと伝えた。

イ・ジェフン記者、ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-06 18:56

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/742775.html 訳H.J

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