北朝鮮の第7回労働党大会が6日始まった。2011年12月の金正日(キムジョンイル)国防委員長の死亡以降権力を掌握した金正恩(キムジョンウン)国防委第1書記が自身の時代を本格的に宣言する舞台だ。金正日委員長が第1人者に君臨した17年間、党大会が一度もなかったことと対照的である。
国営のマスコミは金正恩第1委員長の業績を並べ立て、彼を「21世紀の偉大な太陽」などと褒め称えている。何より核実験と長距離ロケット、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試験発射など「核強国」の誇示が彼の政治功績に選ばれている。平壌(ピョンヤン)の「黎明通り(未来科学者通り)の造成、白頭山・英雄青年発電所の完工、最近まで続いた「70日戦闘」等も話題にはされるが、大きな業績というのは難しい。むしろこのような事業を押し切る過程で住民たちは苦痛を味わった。端的に言えば金正恩時代の象徴は核だ。彼が掲げた核・経済並進路線は、実際にはまず核ありきの路線になって経済の足かせとして働いている。
北朝鮮の国際的孤立はさらに深まっている。1980年に開かれた第6回党大会の時は118カ国から177の代表団が参加した。中国の国家副主席やロシアの政治局委員など首脳級の外賓も少なくなかった。しかし今回の大会にはあえて取り上げるほどの外賓は見受けられない。北朝鮮の伝統的友邦である中国との関係も冷え込んでいる。北朝鮮がどんなに金正恩時代を宣言しても、拍手してくれる国はないのが現実だ。北朝鮮住民の多くもこれをよく知っているだろう。北朝鮮の国際的孤立は「金正恩の偶像化」をやたらに押しつけて解決する問題ではない。
北朝鮮が今回の党大会の前に5回目の核実験をしなかったことはまだよかった。しかしそれだけでは状況は改善されない。北朝鮮が国際社会と共存して経済発展を試みるには核問題で前向きの決断を下さなければならない。今回の党大会はそのための良い機会である。100人以上の外国人記者が今回の大会を平壌(ピョンヤン)で取材している。金正恩第1書記が彼らの前で非核化の意思と北朝鮮経済の開放改革の方針を明確に明らかにすれば、国際社会は彼と北朝鮮を見直すことになるだろう。
既存路線を強化するだけの金正恩時代宣言は内部矛盾を深めるだけでなく、北東アジア情勢にも不安要素として作用するだろう。関係国はこのような傾向を見守るばかりでなく、大きな枠組みの変化を引き起こしうる手立てを見つけ出さねばならない。
韓国語原文入力:2016/05/06 19:13訳T.W