本文に移動

韓国の法科大学院で法曹界子弟の不正入試相次ぐ

登録:2016-04-19 06:00 修正:2016-04-19 08:29
自己紹介書には親の話ばかり
法曹界子弟の法科大学院不正入学が問題になっている=リュウ・ジョン記者//ハンギョレ新聞社

教育部調査で40人余りに不正入学の疑い
職業を取り上げ、父親の話をすることも
入学取り消し・法科大学院制裁処置検討

 元最高裁判事と前・現職の検察高位幹部など、法曹人の子弟40人余りが、法科大学院(ロースクール)への不正入学の疑いで教育当局の調査対象になったことが分かった。教育当局は最近、ある法務法人に、これら子弟の法科大学院への入学の取り消しと学校に対する制裁が可能かどうか、法律的検討を要請したことが確認された。法曹界からは、元大法院(最高裁)判事の子弟など具体的な疑いの事例に関する証言が出されている。

 18日、ロースクールと法曹界の関係者の話を総合すると、教育部は昨年12月16日から今年1月28日まで、全国25校の法科大学院の入試過程を全数調査した結果、大学院当たり平均20~30件の入試不正の疑いがある事例を摘発したという。教育部はこのうち、大法院判事など高位裁判官の子弟10人余りと検察幹部の子弟30人余りの自己紹介書など、入学書類に法曹界の幹部級出身の弁護士の子弟であることが分かるようにする内容が含まれていることを確認したという。

 教育部の現場調査を参観したあるロースクール協議会の関係者は「(疑われる事例として摘発された)大半は法曹人の子弟だった。『父が夜遅くまで勉強しているのを見た』、『父親が高位公職者として模範を示すことを学んだ』など少しでも(親の背景を明らかにする)痕跡があれば入試不正が疑われる事例として判断し、資料を持ち出した」と話した。

 特に議論の的になったのは元大法委員判事の子弟だ。この学生の自己紹介書には、父の出身校から、司法研修院の旗手、大法院判事の経歴まで詳しく記されているという。教育部の調査に関与したある関係者は「(他の学生たちも)自己紹介書に親の職業を取り上げた場合が多かった。さらに自己紹介書の最初から最後まで父親の話をしていた学生もいた」とした。教育部は今回の調査結果で問題になった学生は入学の取り消しまで検討しているという。教育部は不公正な入学が確認された学生はもちろん、法科大学院にも制裁措置を取るものとみられる。

 一方、慶北大ロースクール入試請託疑惑を捜査中の大邱(テグ)地方警察庁は最近、不正入学疑惑をもたれている学生の自己紹介書などを学校側に提出させ、「父が検察出身弁護士」と書かれている事実を把握したと伝えられた。警察は最近、入学選考の担当職員を召喚調査し、該当する法科大学院長も訪問調査をした。警察は、当該生徒の父親が請託をしたかどうか、請託が実際の入学に影響を及ぼしたかどうかなど追加調査する方針だ。

 これに先立ちシン・ピョン慶北大法科大学院教授は著書で「(慶北大法科大学院の)ある教授が『K弁護士の息子が今回、私たちの法科大学院に願書を出したが、必ず合格させねばならない』と教授研究室を訪ねた」と暴露した経緯がある。当時、K弁護士の息子の面接試験に参加したある教授は「父が検事出身か」と尋ね、この過程でK弁護士の実名まで挙げたものとみられ、議論を巻き起こした。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-04-18 20:50

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/740251.html 訳Y.B

関連記事