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朴大統領、選挙前日まで国会審判論 保守層結集の意図あらわ

登録:2016-04-12 22:19 修正:2016-04-13 09:27
国務会議での発言が「選挙介入」問題に
朴槿恵大統領が20代総選挙を翌日に控えた12日午前、大統領府で開かれた閣議で、国会を非難する発言を行っている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パククネ)大統領は12日、「私たちが直面している様々な困難を克服し、ここで崩れ落ちないためには、民生の安定と経済の活性化に邁進する新しい国会が誕生しなければならない」と述べた。 4・13総選挙を翌日に控え、朴大統領が露骨な「国会の入れ替え」を呼び掛けたのだ。首都圏で予測不可能の情勢が続いて「票田」の嶺南(慶尚南道と慶尚北道)でも亀裂が予想されているだけに、支持層結集のために前面に出たものと見られる。

 朴大統領はこの日午前、大統領府で主宰した国務会議で「今は、ここからもう一歩進むのか、このまま立ち留まるのかの重大な岐路に立っている」として、このように述べた。朴大統領は、クラウドファンディング法と観光振興法など、与野党の意見の隔たりにより国会で通過できなかった法案を取り上げ、「経済活性化に向けた法案が国会に足止めされたことによる経済と雇用の損失は、国民に重い荷物を背負わせることに他ならない」と批判した。第19代国会、特に野党を経済の「障害物」であると共に、景気後退の「主犯」と指摘したのだ。

「経済の活性化に邁進できる新しい国会を」 

国会・野党を「経済の障害物」と指摘 
「第2の経済危機」を言及するなど、不安感を高める 

「もれなく一票を投じてもらいたい」 

首都圏の接戦地域における保守層離脱の兆しに 
事実上「与党に投票してほしい」と訴える 

「北朝鮮の意図は韓国国内における対立の触発と協力体制へのヒビ入れ」 

「集団脱北」の公開など、北風めぐる議論を意識 
北朝鮮の核・武力挑発への対応を強調し「焦点ぼかし」

 朴大統領は、「政府が強力に推進していたサービス産業発展基本法と労働改革法案などが、国会で次々と止められる現実を見ながら、今、国民と企業は胸が詰まる思いであろう」とした上で、「厳しい環境の中でも、国民と企業の献身的な努力のおかげで、国の経済がかろうじて支えられている」と述べた。また、朴大統領は「韓国はいつ北朝鮮が挑発するかわからず、このまま経済の時計が止まったら、第2の経済危機を迎えるかもしれない」、「ここで崩れ落ちると、その結果はそのまま国民が背負わなければならず、国の債務はますます増えていき、結局税金で埋めなければならない」などと発言し、危機感を刺激した。危機を克服するための国政運営を支えられるよう、政府・与党への支持を求めたものと見られる。

 朴大統領は、感性に訴えることで、国会への審判を求めた。朴大統領は、「私は重大な責任感で、身も心も重く、眠れない日がますます多くなってきた」としながら、「第20代国会は本当に国民のために心身を奉げられる真の民意の国会になってほしい」と強調した。また、「国民の皆さんは今回の選挙で国の運命は結局、国民が決めるという気持ちで、もれなく貴重な一票を行使し、本当に国民に仕え、国のために働く20代国会を作ってくださるよう、お願い申し上げる」と述べた。セヌリ党が議席の過半数をはるかに超えるのが大方の予想だとしても、公認をめぐる内紛などに失望した多くの保守層の有権者が、投票を放棄するという見通しも示されている状況だ。「もれなく貴重な一票を投じてもらいたい」という朴大統領の要請は、事実上、支持層の結集を促すメッセージと思われる。

 朴大統領は、集団脱北の「異例」の公開など、大統領府主導の「北風」をめぐる議論を意識したように 「北朝鮮が狙っているのは、韓国内部に対立を引き起こし、国内世論を分裂させ、国際社会の協力にヒビを入れること」だとした上で、「この分裂を防ぎ、対処していく力は、国民から出るもので、国民の団結した力と意志が北朝鮮の挑発に対応する強力な力であり、原動力になるだろう」と強調した。また、「北朝鮮の武力挑発と核開発の意志も、国民の力で止めることができる。国民の皆さんは政府を信じて力を合わせていただきたい」と政府への支持を訴えた。

チェ・ヒェジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2016-04-12 15:30

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/739331.html 訳H.J

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