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7月に引き揚げるセウォル号の予算は6月まで 事実上不可能な原因糾明

登録:2016-03-31 07:43 修正:2016-03-31 07:53
特調委の「活動期間保障」が急先務
28日午前、ソウル市庁多目的ホールで開かれた4・16セウォル号惨事特別調査委員会第2回聴聞会で、セウォル号沈没の原因と運航過程における船体の欠陥をテーマにした第1部が行われている=シン・ソヨウン記者//ハンギョレ新聞社

 2日間続いた「4・16セウォル号惨事特別調査委員会」(特調委)の第2回聴聞会が29日終了した。 準備不足のため海洋警察関係者の“無能”や“言い訳”を確認するのに終わった去年12月の第1回聴聞会とは異なり、2回目の聴聞会では清海鎮(チョンヘジン)海運の指示でセウォル号乗務員が乗客に「じっとしているように」という船内放送を行なった事実などが新しく明らかになった。

 二つの聴聞会がこのような違いを見せた決定的な理由は「準備期間」にあるようだ。4・16家族協議会のチャン・フン真相糾明分科長は「第1回聴聞会では特調委が自ら調査した内容が聴聞会にほとんど反映されなかったが、今回の聴聞会では既存の検察や法廷での陳述と異なる新しい陳述がなされるなど成果があった」として「調査期間さえ充分に保障されるなら、海洋警察や海洋水産部など関連事件でも新しい事実の発見が可能になるだろう」と話す。真相糾明のためには十分な調査時間が重要だという事実が再確認されたわけだ。

 特調委は6カ月間にわたり被害者から239件の真相糾明の調査申請を受け付け、2件の職権調査決定事件を始め、申請取り下げの11件を除く残りの事件の調査を行なっている。 しかし今だにただの一件も真相糾明の「結果」を出すことはできないでいる。政府からこの6月までの活動予算のみを割り当てられている特調委の状況からすれば、残った3カ月で全ての事件に対する調査を終えられるかどうかも疑問だ。

 「捜査権」のない特調委自体の限界も、真相糾明を困難にしている要素だ。 船体の引き揚げを担当している海洋水産部が引き揚げ後の計画を具体的に樹立していないという事実も今回の聴聞会で明らかになったが、関係機関の協力も円滑でない。特調委が調査を進めている「事故原因の糾明」に関連する調査件数は58件にのぼるが、引き揚げ後の船体調査が保障されなければ調査の相当部分がまともになされ得ない怖れがある。このような限界を克服するために海洋警察の指揮部などに対する捜査のための特別検事(特検)任命を国会に要請したが、国会の無関心のうちに特検要請案は本会議に上程すらされていない。

 特調委は当分の間、国会に「十分な活動期間の保障」を要求しながら、被害者から申請のあった件の真相糾明調査に力を注ぐものと思われる。イ・ソクテ特調委委員長は「聴聞会で明らかになった事実を土台に後続調査を進め、また告発権・検察捜査要求権など多様な方法を通して真相糾明を完遂する」として「可能な全ての手段を使って船体に対する調査を徹底的に実施できるように、予算支給と船体調査権等を保障してほしい」と明らかにした。「4・16セウォル号惨事真相糾明と安全社会建設などのための特別法」によれば、特調委は直接の捜査権はないが、調査結果を基に検察に捜査を依頼または告発することができる。 特調委が検察に告発した場合、検察は3カ月以内に起訴の要否を決めなければならない。

パク・テウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-29 20:17

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/737393.html 訳A.K

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