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少女像を守る女子大生「一人でも傍にいれば負けたことにならない」

登録:2016-03-08 21:47 修正:2016-03-18 07:35
開講後も「留守番」志願したハン・ヨンジさん
大学生のハン・ヨンジさん =パン・ジュノ記者//ハンギョレ新聞社

 「キャンパスが懐かしいです。16年度入学の後輩にキャンパスで会えないのが一番残念ですが、それでも私がいるから後輩がこちらに訪ねて来るし、私も少女像も応援してくれると言うのでうまくいったようでもあり」

 少女像の守り役が大学の開講を迎えてキャンパスに戻ったが、大学生のハン・ヨンジさん(23)は8日も24時間、ソウル鍾路区の日本大使館前にある「平和の像」を守っている。 ハンさんはこの日も「大変でしょう。テントでも張ればいいのに」と言って通り過ぎる大人たちに「ありがとうございます。でも(警察が)テントは張らせません」と微笑みながら挨拶した。 まだ風が冷たい3月なので「ここは特に冷えるようだ」と言ってダウンのジャンパーを身にまとった彼女の表情は毅然としていた。

 ハンさんと一緒に少女像を守っていた別の守り役は、今月1日、「少女像を守る学生座り込みシーズン2」を始め、各自の持ち場に戻って「韓日日本軍慰安婦合意」廃棄のための活動を継続することにした。

 だが、彼女は「この空間がなくなってはならない」と考えて「留守番座り込み」を志願した。 座り込みの場を守るために1カ月70万ウォンほどを稼いでいた学校前のコンビニでのアルバイトも辞めた。 彼女は「私には貴重な生活費なのでずいぶん悩んだが、今や単純な座り込み場ではなく平和の象徴にまでなったこの場を守ることにより大きな意味があると考え、果敢に放棄した」と笑った。

 ハンさんは毎朝7時30分頃、ホットパックで満たした寝袋から起きる。 少女像の脇で一晩中縮めていたからだをほぐす「朝の体操」は欠かせない日課だ。 「健康で元気でいてこそ平和も守れる」といのが彼女の持論だ。 周辺の工事現場のほこりや車の媒煙のためにすぐに汚くなる座り込み場を片づけて、周辺のビルに入って顔を洗う。 二日に一度は銭湯に行く。 ニュースを几帳面に読み終えて、応援してくれる市民がくれた食券でご飯を食べて、活動の便りをSNSと掲示板に載せる。 毎日午後2時からの3時間、人影が少なくなる頃が“峠”。 彼女は「眠くなったり退屈だったりするけど、そのたびに私が上げた文に付けられたコメントを読む」と言い、「ありがとうございます。世の中を変える力になるでしょう」コメントを見せてくれた。

 今も青年たちはひっきりなしにここを訪ねている。 この日も授業がなかった学生イ・ソヨンさん(20)と大邱(テグ)の青年キム・ソングンさん(23)がハンさんと共にした。 昨年12月30日から少女像脇の座り込み場で出会った大切な“縁”だ。 毎週水曜日に大邱で韓日合意廃棄1人デモをしているというキム氏は「1人デモをする時にまだ青年たちが少女像を守っていると話す。 ヨンジさんのおかげでありがたく思ったり、一方では申し訳なくも思って大邱から上京してきた」と話した。 ハンさんは「ありがたいという言葉を聞く度に、私こそありがとう」と答えた。

 1000人を超す人波が押し寄せていた水曜デモも今は100人余りになり、韓日合意を批判する記事もどんどん減っているが、ハンさんは「負けていない」と確信する。 「ひとりでもいれば負けたことにはなりません。 ひとりを見て人々が集まり、それを見てもっと多くの人が集まるということを少女像座り込み場で悟りました。 まだ少女像の脇に青年がいるということを認めてもらいたいですね」

パン・ジュノ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/733902.html 韓国語原文入力:2016-03-08 19:07
訳J.S(1628字)

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