登録 : 2016.03.04 08:00 修正 : 2016.03.04 08:03

尹炳世外交部長官が2日(現地時間)、国際社会が重大かつ組織的で広範囲な人権侵害がある北朝鮮の人権改善のため行動を取らねばならない時だと訴えた=ジュネーブ/連合ニュース
2014年は慰安婦問題を集中的にアピール
合意後に日本が強制連行を否定して以降
初の国連会議で、反論どころか沈黙

 尹炳世(ユンビョンセ)外交部長官は2日(現地時間)、スイスのジュネーブで行われた国連人権理事会の基調演説で、戦時性暴力を「もっとも非人間的な蛮行の一つ」と強く批判したが、その代表的な事例の日本軍「慰安婦」被害者問題(慰安婦問題)についてはまったく言及しなかった。韓日両政府の慰安婦問題に関する合意(12・28合意)以降、被害者の女性と韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)を中心に強く問題が提起される状況での尹長官の“異常な沈黙”は、国内外で大きな波紋を呼びそうだ。

 何よりも日本政府が2月16日、国連女性差別撤廃委員会で「(日本)政府が発見した資料では、軍や官憲による強制連行を示す資料を確認することはできなかった」と従軍慰安婦問題の強制性を公開的に否定した直後、人権をテーマにした国連会議に初めて出席した韓国政府代表が、反論するどころか沈黙で一貫したこと自体、批判は避けがたい。

 尹長官は12・28合意以来、人権問題をテーマにした国際会議で公開演説をする初の韓国政府代表だ。尹長官の演説は、今後の韓日政府の12・28合意の解釈と実施に関し重大な先例となるほかない。韓国政府の立場を自ら狭めた“外交的失敗”との指摘は免れない。

 尹長官は2014年3月の国連人権理事会では、演説時間の大半を割き慰安婦問題を戦時性暴力の戦争犯罪であり「生きている現在の人権問題」と規定し、日本政府の行動を強く批判した。2年間で尹長官の態度が180度豹変したことになる。

 尹長官は同日、第31回国連人権理事会の基調演説で北朝鮮の人権問題を集中的に取り上げ、「ダルスマン国連北朝鮮人権特別報告官の大切な貢献の一つは、北朝鮮当局が主導する海外強制労働問題を浮上させたこと」と述べた。外交部は3日、報道資料を通じ「(尹長官の演説は)北朝鮮人権問題を通じた北朝鮮圧迫を全方位的に推進していく政府の意志を反映した」と明らかにした。

 一方、尹長官は3600字に及ぶ演説文で、一度も慰安婦問題を取り上げなかった。その理由についてチョ・ジュンヒョク外交部報道官は3日の定例ブリーフィングで、「長官は対北朝鮮圧力外交の延長線でジュネーブに行ったのであり、演説の焦点は北朝鮮人権問題」と指摘し、「状況に合った演説を行ったと考えればいい」と答えた。韓国外交部は現時点で、北朝鮮人権問題と慰安婦問題の重さを100対0と判断していると言っているも同然だ。演説直後、尹長官は「戦時性暴力問題と関連して核心的な役割」(尹長官の演説表現)をするザイード国連人権最高代表と会っても、北朝鮮人権問題だけを議論し、慰安婦問題は口にしなかった。

 挺対協のユン・ミヒャン常任代表は「尹長官の今回の演説は、日本の安倍晋三首相が昨年の国連総会演説で、慰安婦被害者問題に言及すらしないまま戦時性暴力根絶を訴えた二律背反的な行動を、韓国政府がそのまま真似したもの」と批判した。挺対協代表団は慰安婦被害者のキル・ウォンオクさんと共に8~20日に米国のニューヨークとワシントンを訪問し、「韓国政府でさえ無視する日本軍『慰安婦』被害者問題の解決に国連が乗り出してほしい」とする要求を盛り込んだ書簡を潘基文(パンギムン)国連事務総長に伝えるなど、12・28合意無効化と同問題の「正義の解決」を国際社会に直接訴える計画だ。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-03 22:30

http://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/733211.html?_fr=mt2訳Y.B

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