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「日帝収奪」の記録映像を発掘

登録:2016-02-25 22:41 修正:2016-02-26 06:15

朝鮮半島「原料供給地化」過程を記録 
1934年作記録映画『北鮮の羊を語る』など 
ロシアで2編・ドイツで5編を新たに発掘

 日帝強制占領期間の朝鮮の社会像を記録した貴重な映像がロシアとドイツで新たに発掘され、一般に公開される。 当時の朝鮮人の生活を垣間見ることのできる資料で、日帝の経済収奪政策の現場を記録したものもある。

 韓国映像資料院は25日午前、ソウルプレスセンターで「日帝強制占領期間の記録映像公開マスコミ試写会」を開き、未公開記録映像7編を公開した。 これは1920~30年代の朝鮮半島での生活像と日帝の経済政策を確認できる資料で、ロシアとドイツでそれぞれ2編、5編が発掘された。

日帝記録映画『北鮮の羊を語る』(1934年)= 韓国映像資料院提供//ハンギョレ新聞社

 2010年にロシア映像資料院で発掘された日帝の記録映画『北鮮の羊を語る』(1934年)は22分の記録映画で、羊の群れがオーストラリアから朝鮮に輸入される過程が詳細に記録されている。 日帝は当時繊維輸出で英国と競争していたが、朝鮮を日本の原料供給地にするため「南綿北羊」政策を実施した。 朝鮮の安い労働力を“活用”し、南側では綿花を栽培し、北側では羊を育てるようにした。

 映画は1934年にオーストラリアから船便で輸入された羊の群れが「北鮮3港」の一つである咸鏡北道の雄基(ウンギ)で荷役された後、鉄道で慶源(キョンウォン)郡の東拓牧場に運ばれ飼育されたことが記録されている。東洋拓殖株式会社(東拓)は、日帝の代表的な収奪機構だったが、東拓の傘下に牧場まであったのだ。 映画には「羊毛輸入のために毎年2億円が使われる。輸入代替のために努力しよう」という字幕も見られる。 ソン・キュジン高麗大教授(韓国学)は「南綿北羊政策と関連して“北羊”については研究が極めて不十分だ。 今回の映像発掘が新しい研究の契機になりそうだ」と話した。

 一緒に発掘された5分の『黄海道畜産共進会映像』(タイトル未詳)は1924年10月、黄海道沙里院(サリウォン)で開催された共進会場の道路を走る自動車から撮影した映像だ。 共進会は各種の製品を一堂に集め品評する大規模商業行事だが、黄海道では畜産物のみを別に取り扱う行事が開かれたことが分かる。

 また、ドイツで発掘された5編の映像記録は、ドイツのノルベルト・ウェーバー神父が朝鮮で布教活動をして撮影したものだ。 ウェーバー神父は1925年に5カ月にわたりソウル、元山(ウォンサン)、金剛山(クムガンサン)、満州を旅行し、朝鮮の風物を撮影した。

ドイツのノルベルト・ウェーバー神父が撮影した短編『韓国の結婚式』=韓国映像資料院提供 //ハンギョレ新聞社

 これらの中には長編記録映画『静かな朝の国』(1927)の高解像度カラー着色作品も含まれている。 2009年に韓国でDVD化し発売されたことのある作品で、今回4時間分の編集前の原本フィルムが新たに発掘された。 他には『韓国の結婚式』など20分前後の短編作品。 ウェーバー神父が院長を務めていたドイツ、ミュンヘンの聖オティリエン修道院の地下室から発掘されたものだ。 映像資料院は3月1日ソウル上岩洞のシネマテークコパ(KOFA)で一般に無料公開する予定だ。

アン・チャンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/732103.html 韓国語原文入力:2016-02-25 19:04
訳J.S(1529字)

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