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「帝国の慰安婦」著者の朴裕河教授、敗訴で給料差し押さえ

登録:2016-02-16 23:41 修正:2016-02-18 14:44
朴裕河教授の著書「帝国の慰安婦」//ハンギョレ新聞社

 「帝国の慰安婦」著者の世宗大の朴裕河(パクユハ)教授が、損害賠償請求訴訟で勝訴した慰安婦被害者たちに給料を差し押さえられた。

 ソウル西部地方裁判所は今月1日、イ・オクソンさん(90)など慰安婦被害者9人が朴教授と世宗大学校法人を相手に起こした損害賠償訴訟で、賠償金9000万ウォン(約850万円)の差し押さえ、および取立命令申請を受け入れたと16日明らかにした。 この申請は慰安婦被害者9人が朴教授を相手に「名誉と人格権が侵害された」として、ソウル東部地裁に提出した損害賠償請求訴訟で最近勝訴したことにより生じた債務関係の執行に伴うものだ。

 2013年に出版された朴教授の著書「帝国の慰安婦」には、慰安婦被害者達の名栄を損する可能性がある表現が含まれていて学界の論難の的となていた。 被害者の原告9人は同書の中の34カ所で自分たちの名誉が傷つけられたとし、2年前に朴教授を相手に損害賠償を請求した。 先月13日、裁判所は朴教授に「原告9人に1人当り各1000万ウォンずつ計9000万ウォンを支給せよ」として原告一部勝訴判決を下した。

 裁判所が差し押さえ申請を受け入れたことで、世宗大学校法人は15日、朴教授に「民事執行法により毎月給与の一部を請求金額に達するまで差し押さえる」旨の「給与債権差し押さえ案内」のEメールを送った。

 朴教授はこの日、自身のSNSで「今日、今月から給与を差し押さえられることになるという内容のメールを学校から受け取った」として「被告が財産を隠匿する可能性がある場合でなければ取らない超強硬手段だが、ナヌムの家の目的は結局私の名誉を現在以上に傷つけることにあるようだ」と心境を吐露した。

 申請当事者の慰安婦被害9人が暮らしているナヌムの家は、ハンギョレとの通話で「朴教授は加害者でありながら被害者であるかのように話している。 損害賠償請求勝訴の判決後、賠償を仮執行できるという法的手続きに則り申請したに過ぎない」と反論した。 慰安婦被害者の法律代理人ヤン・スンボン弁護士は「財産隠匿の可能性がある場合にのみ差し押さえができるという朴教授の主張は事実ではない」として「金銭が目的ではないので、朴教授が今後名誉を毀損する表現を使わないと約束して謝れば、いつでも民刑事上の訴訟を取り下げる用意がある」と話した。

キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/730568.html 韓国語原文入力:2016-02-16 11:11
訳J.S(1040字)

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