登録 : 2016.01.27 22:30 修正 : 2016.01.28 08:16

歴史教科書編纂基準、非公開に

市民社会団体のメンバーたちが19日、ソウル中区の言論会館国際会議場で開かれた「国定教科書事態に際した市民社会時局宣言」で市民の目を隠す意味で「国定教科書」と書かれた鉢巻きで目を隠している=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞

今月初めまで「公開」方針だったのが
突然「非公開の方がいい」と前言翻す 
専門家「検証を遮断するため」と批判 
「独立運動などの近現代史が縮小される可能性も」

 朴槿恵(パククネ)政権が中高校国定歴史教科書(以下、国定教科書)編纂基準を公開せず、すでに執筆を始めた事実が確認されたことで、学界と教育界では「検証を受けていない唯一の歴史教科書」への懸念が高まっている。教育部が主張するように、「客観的な事実に基づいたバランスのとれた編纂基準」であれば、公開できない理由がないのに、公開するという約束を破棄したという批判を甘受してまで編纂基準を隠すのは、それだけ議論の余地が多いためと見られているからだ。

 イ・ヨン教育部次官は27日、政府ソウル庁舎で行われたブリーフィングで、編纂基準の非公開方針に関する記者の質問に対し、「(国定教科書には)原稿本、改稿本、審議本、現場適用本など、複数の段階がある」とし「(今は公開しないが)現場で点検する部分においては、国民が内容を見て確認できるようになるだろう」と説明した。さらに「基本的な編纂方向は、客観的事実と憲法の価値に忠実で、北朝鮮の現状について生徒たちに知らせると共に、大韓民国に自負心を持つようにすること」だとし、「親日や独裁を美化する内容は当然含まれない」と強調した。

 専門家たちは、編纂基準を非公開にするのは極めて異例なことだと指摘している。

 キム・ハンジョン韓国教員大学教授は「編纂準拠案(編纂基準)は1987年に初めて作られたが、当時は国定教科書編纂準拠試案の公聴会まで開き、執筆段階の前に編纂基準確定案を公開した」と説明した。続いて「国定教科書は、単一解釈の唯一の教科書を作成する作業」とし「そのため、必ず編纂基準を公開し、様々な学説上の違いと社会的争点となる問題についての意見集約の手続きを経なければならない」と指摘した。

 歴史学界と教育界では、政府の意向通りの歴史叙述のためのものではないかという懸念の声もあがっている。ト・ミョンフェ大田大学教授は「編纂基準を事前に公開してしまうと、国定教科書の執筆が完了した後に、政府が勝手に修正を加えることが難しくなるため、公開していない可能性もある」と述べた。イ・ジュンシク歴史正義実践連帯政策委員長は「大韓民国臨時政府と社会主義系列の独立運動に関する記述の縮小はもちろん、済州(ジェジュ)4・3事件と光州(クァンジュ)民主化運動、朴正煕(パクチョンヒ)政権など近現代史の叙述をめぐり議論が予想されるため、公開を先送りしているのではないか」と分析した。実際、学界では編纂基準が発表されると、これについて分析作業を行おうとする動きもあったが、執筆基準の公開前に執筆が始まったことで、学術的議論の余地さえ遮断されることになった。

 教育界では、既存の検定教科書とは異なる国定教科書を採用しながらも、現場の教師たちに事前に新しい教科書の内容を把握できる時間的余裕を与えないことも問題だと指摘した。全国歴史教師会のキム・テウ会長は、「編纂基準でも教師たちが事前に見て内容を把握してから、教案を作成すべきなのに、情報公開が全く行われていない」とし「授業を準備しなければならないのに、先行きが見えない」と懸念を示した。

 検証されていない国定教科書が外交的問題を引き起こす可能性も指摘されている。ト・ミョンフェ教授は「世界史課程が含まれている中学歴史の場合、学界の検証なしに国定教科書を作ると、中国や日本との外交的な対立の原因になりかねない」と憂慮した。

チョン・ジョンユン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-27 19:24

http://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/728147.html訳H.J

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