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韓国保守系出版社が李承晩・朴正煕礼賛本を続々と出版

登録:2016-01-14 07:56 修正:2016-01-14 08:56
「新しい歴史教科書をつくる会」が登場した日本の事情と酷似

保守系の歴史書籍出版社2社
ニューライト大衆歴史書を大挙発行
政治目的で歴史意識への影響狙う

『革命児朴正煕大統領の生涯』//ハンギョレ新聞社

 出版界でニューライト指向の歴史認識を反映した大衆歴史書籍が溢れている。朴槿恵(パククネ)政権による昨年の中高校歴史教科書国定化推進を前後して本格化した。日本で極右歴史教科書が出版された2000年代初めの状況と似ていると指摘される。

 13日、ハンギョレが代表的な保守系出版社の「キパラン」と「百年の間」2社の出版状況を調べると、キパランは昨年、『教科書を徘徊するマルクスの幽霊たち』(12月1日)、『革命児朴正煕大統領の生涯』(8月1日)、『建国大統領李承晩(イスンマン)の生涯』(4月1日)など、李承晩・朴正煕元大統領、北朝鮮などに関する大衆歴史書8冊を発行した。同じ主題で2014年4冊、2013年3冊を発行したのと比べると2倍ほど増えた。2014年6月に『大韓民国の正体叢書』4冊を出版した「百年の間」は、昨年5月、叢書31冊を出し終えた。 『大韓民国建国の企画者たち』、『従北主義研究』、『朴正煕、生きている経済学』などのタイトルをつけている。

 これら歴史書籍のかなりが李承晩・朴正煕元大統領の美化、北朝鮮と検定教科書に対する敵対的叙述を主な内容にしている点と、宗教人、記者、経済人など歴史の非専門家が執筆したという点が目につく。

『教科書を徘徊するマルクスの幽霊たち』//ハンギョレ新聞社

 『教科書を徘徊するマルクスの幽霊たち』は保守界を代表するキム・チョルホン長老会神学大教授(新約学)、チョン・フィギョン自由経済院事務総長、キム・ジン中央日報論説委員の3人が共同著者となる。百年の間の『大韓民国の正体叢書』は、「建国の正統性の根探し」と「正しい歴史観整備」を目標にした大型プロジェクトだ。31冊の著者のうち歴史学者は6人しかいないが、そのうち4人は元・現職の国防部軍事編纂研究所研究員だ。

 イ・シンチョル成均館大東アジア歴史研究所研究教授は「日本で2001年に『新しい歴史教科書をつくる会』が登場した時を前後で極右大衆歴史書物が溢れ出たのと今の私たちの状況は似ている」とし「当時、右翼史学者であり、新しい歴史教科書をつくる会の会長だった西尾幹二の『国民の歴史』が1万部以上売れ世論戦に成功したことが、新しい歴史教科書をつくる会の教科書に大きな影響を及ぼした」と説明した。キム・ユクフン歴史教育研究所長は「政治的目的で一般の人たちの歴史認識に影響を及ぼそうとする大衆歴史書籍の出版の流れが現れているのは注視すべき現象」と話した。

チョン・ジョンユン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-13 21:57

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/726073.html 訳Y.B

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