北朝鮮軍が14日、また対韓国ビラをばら撒いた。前日のビラ散布後、無人機を送ったのに続き、再び“比較的に低いレベルの対応”に出た。対北拡声器放送に砲撃などで、真っ向から対応した昨年8月とはかなり異なる態度だ。
チョン・ハギュ合同参謀本部広報局長は同日の定例ブリーフィングで、「北朝鮮軍が昨夜から今日午前0時過ぎにかけ、その前日と同様の地域に、またビラを散布したことが識別された」と明らかにした。ビラの内容については、朴槿恵(パククネ)大統領を非難し、対北朝鮮拡声器放送の中止を求めるなど、前日と同様であることが分かった。チョン室長は前日ばら撒かれたビラ数万枚を回収したと述べた。北朝鮮が追加で散布したビラの量は明らかにしなかったが、前日と同じ水準であることが分かった。
北朝鮮軍が軍事的対応など“強力な行動”に出ることを示唆する特異な動向はまだ見当たらない。キム・ミンソク国防部報道官は「北朝鮮軍の砲兵の一部に動きがあるが、通例的な冬季訓練であり、差し迫った挑発の兆候は見られない」と述べた。
これは、昨年8月に非武装地帯(DMZ)の木箱地雷爆発事件以降、対北朝鮮拡声器放送が再開された際の北朝鮮の態度と異なっている。当時、北朝鮮は対北朝鮮拡声器放送再開から4日目になる14日、韓国の電話通知文を送り、「心理戦放送の再開は軍事的挑発だ」と反発しており、10日後の20日には「48時間以内に撤去しなければ、軍事行動を開始する」と脅した。
このような違いが生まれた背景としては、まず、4回目の核実験後、国際社会の非難が集中する状況などが挙げられる。北朝鮮としては、4回目の核実験ですでに望むものを手に入れた。国際社会が国連安全保障理事会(安保理)を中心に、対北朝鮮制裁を議論している状況で、軍事的に対応するのは逆風を引き起こし兼ねないと、北朝鮮が判断した可能性がある。敏感に反応するほど“対北朝鮮拡声器放送が北朝鮮の弱点”という認識を確認させるという側面もある。このほかにも、昨年8月のような強力な対応が今回も通じるかどうか、確信できないため、比較的に低いレベルの対応基調を維持し、情勢逆転のための機会をうかがっているという分析もある。
しかし軍当局は、北朝鮮は結局、対北朝鮮拡声器放送の中断のために本格的に乗り出す可能性が高いとみて、警戒を緩めていない。軍当局者は、「心理戦の効果は時間が経つにつれて大きくなるため、北朝鮮が拡声器放送をひたすら無視するわけにはいかないだろう」とし「もうすぐ出る国連の対北朝鮮制裁案や2〜3月に予定されたキーリゾルブ韓米合同軍事演習などを契機に、北朝鮮が積極的な対応に転じる可能性がある」と述べた。
韓国語原文入力:2016-01-14 19:35