朴槿恵(パク・クネ)政権と安倍晋三政権は28日、韓日外相会談を通じて日本軍「慰安婦」被害者問題(慰安婦問題)の解決策に合意し、合意事項の着実な履行を前提に、「最終的かつ不可逆的な解決」を宣言した。しかし、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は声明を発表し、「韓国政府の外交はまさに屈辱的だ」として、今回の韓日会談を「外交的な談合」と批判した。
ユン・ビョンセ外交部長官と岸田文雄・日本外相は28日午後、ソウル世宗路の政府ソウル庁舎別館(外交部庁舎)で15分ほど行った共同記者会見で、それぞれが発言する形で、日本政府が責任を認めると共に、安倍首相の謝罪と反省表明、日本政府の予算を投入した慰安婦問題に関連した韓国での財団の設立、国連などの国際社会で慰安婦問題と関連して互いに対する非難や批判を控えるなどを前提に、「最終的かつ不可逆的な解決」を確認すると宣言した。
韓日外相の発表内容は、慰安婦問題と関連して、両国政府が相手側に求めてきた重要な関心事項を取引する外交的な折衝案であるが、それが果たして等価交換であるのか議論になっている。特に政策事案ではない歴史的事実について、特定の政権が「最終的かつ不可逆的な解決」を宣言したのは、長期にわたり負担となるとの指摘が多い。
日本政府の誠意をめぐっても、すでに波紋が広がる兆しが見られる。安倍首相はこの日午後、東京の首相官邸で行われた記者会見で「おわび」と「反省」には言及せず、「この問題を次の世代に決して引きずらしてはならず、『最終的不可逆的』な解決を(戦後)70年の節目にすることができた」と強調した。岸田外相が会見で明らかにした「安倍内閣総理大臣は、日本国内閣総理大臣として改めて、慰安婦として多くの苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からのおわびと反省の気持ちを表明する」という内容を全く言及しなかった。元高位関係者は「安倍首相が会見で“おわび”と“反省”を直接言及していないのは、深刻な問題だ」と指摘した。
さらに、岸田外相が会見で言及した「日本政府の責任」という表現は、いわゆる「佐々江案」が提示した「道義的責任」から「道義的」という限定的な言葉を取り除いたものの、「法的責任」の認定を明示したわけではない。慰安所の問題に関与した主体として「日本政府」や「日本軍」と明記せず、「軍」とだけ規定した文言も、日本側の解釈によっては議論を呼ぶものと見られる。何よりも今回の合意は、戦時において日本政府・軍が慰安所制度を運営した事実と、このような事実が戦時における女性の人権を蹂躙した反人道的国家犯罪であることを、日本政府が正式に認めるべきだという被害者ハルモニ(お婆さん)たちと挺対協はもちろん、国連など国際社会の認識を回避し、迂回しようとしたものだ。
朴槿恵政権が日本大使館前の少女像の撤去と移転を求める日本政府の粘り強い要求に応じて、被害者ハルモニたちと挺対協など市民社会に対して少女像移転のための説得に乗り出す意向を事実上公開表明したことも、国内世論の反発が予想される。四半世紀にわたり韓国政府・市民社会対日本政府との構図で展開されてきた慰安婦問題の議論と対立の構図が、韓国政府と韓国市民社会が対立する構図へ悪化する危険性も高い。挺対協は声明で「この曖昧で不完全な合意を導き出すために、韓国政府が掲げた約束は衝撃的だ」として、「平和碑(少女像)はいかなる合意の条件や手段にもなり得ないことを明らかにする」と表明した。また「日本政府の国家的、法的責任の履行が必ず実現されるように、日本軍“慰安婦”被害者たちと共に、適切な問題解決のための努力を傾ける」と約束した。
韓国語原文入力: 2015-12-28 21:37