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ロシア産水産物の放射性物質検出率、韓国産より4倍高い

登録:2015-12-24 08:43 修正:2016-10-12 07:57
2015年の水産物の原産地別放射能汚染。資料:市民放射能監視センター//ハンギョレ新聞社

ソウル・釜山など市販150点の試料分析
ロシア産タラ13%・スケトウダラ11.5%で検出
国産からも昆布7.7%・サバ3.3%
「許容基準以下だが検査基準強化を」

 一部のロシア産の輸入水産物と国内産水産物から放射性物質が検出された。環境団体は水産物に対する放射性物質検査を強化すべきと指摘する。

 釜山(プサン)環境運動連合傘下「環境と自治研究所」、市民放射能監視センター、光州環境運動連合の3団体は、3~11月にソウル、釜山、光州(クァンジュ)の大型ディスカウントストアや在来市場などで、サバ、スケトウダラ、タラ、昆布、ワカメなど水産物150点を購入して放射能汚染度を分析した結果、8点(5.3%)から放射性物質のセシウム137が許容基準(1キログラム当たり100ベクレル)以下で検出されたと23日明らかにした。

 環境団体の調査結果によれば、セシウム137が検出された水産物はロシア産のスケトウダラとタラ、国産のサバと昆布。検出量は試料1キログラム当たり0.37~1.09ベクレルだった。

 原産地別セシウム137の検出率は、ロシア産水産物が13.3%(45試料のうち6点)、国内産水産物は3.2%(63試料のうち2点)であると調査された。種類別ではロシア産のタラ13.0%、スケトウダラ11.5%、国産の昆布7.7%、サバ3.3%などだった。残る輸入水産物からは放射性物質は検出されなかった。

 昨年の調査結果と比較すると、国産・輸入産水産物のセシウム137全検出率は6.7%から5.3%に下がった。だがロシア産水産物のセシウム137検出率は昨年(13.0%)より高まった。

 環境と自治研究所のミン・ウンジュ責任研究員は「輸入水産物に対する検査を拡大させ、検査基準を強化すべきだ。また国産海草類から放射性物質が検出された原因を把握し対策をたてねばならない」と指摘した。ミン研究院は「政府は現在、日本の8県の水産物輸入禁止解除を検討している。そうなれば放射能に汚染された水産物の輸入を防ぐことはできない。むしろ基準を強化し、日本政府の世界貿易機構(WTO)提訴に強硬に対応すべきだ」と訴えた。

 セシウム137は人工核分裂過程で検出される代表的放射性同位元素(ラジオアイソトープ)。セシウム137は半減期が約30年で、人体に蓄積すれば筋肉や皮下脂肪などに集まり体内被爆を起こすと知られている。だが少量蓄積にともなう被爆が人体に及ぼす影響に対してはまだ詳しく分かっていない。

キム・ヨンドン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-12-23 19:45

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/723243.html 訳Y.B

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