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韓国中小企業振興公団理事長、チェ副首相採用請託の組織的隠蔽図る

登録:2015-12-15 23:52 修正:2015-12-16 03:52
イム理事長と人事総括のクォン室長との対話録音ファイル

イム理事長、検察出頭を控えたクォン室長に
「監査院報告書の水準で陳述しろ
副首相・企画財政部に代わって私が伝える」
チェ・ギョンファン側は「イム理事長に接触したことはない」

 イム・チェウン中小企業振興公団(中振公) 理事長(下の写真)が 、チェ・ギョンファン副首相のインターン採用不正事件を捜査中の検察に出頭しようとしていた中振公人事責任者クォン室長に対し、「チェ・ギョンファン副首相を守らなければならない」と圧力をかけたことが明らかになった。 イム理事長はまた、自分がチェ副首相の代わりにメッセージを伝えるとも言った。中振公がチェ副首相側と緊密に協議しながら、組織的にチェ副首相の採用請託疑惑を縮小・隠蔽しようとしたと見られる内容だ。

 ハンギョレが14日に入手した録音ファイルによれば、イム理事長は10月22日クォン室長に会って「チェ・ギョンファンを守らなければならない。監査院報告書に出ていることだけを話せ。責任は(パク・チョルギュ前理事長に)すべて押しつけ、チェ(ギョンファン)に力があってこそ我々を守ってくれる。チェ副首相が無事でなければ」と言っている。 クォン室長はチェ副首相のインターン採用請託があった2013年6~8月に中振公で人事総括部長を務めており、この事件の実体を最も正確に把握できる人物だ。 イム理事長がクォン室長を圧迫したのは、検察の中振公押収捜索の二日後であり、クォン室長は検察出頭を控えていた。 チェ副首相が検察の捜査対象に上がるのを極力阻む意図と見られる。

イム・チェウン中小企業振興公団理事長=資料写真//ハンギョレ新聞社

 イム理事長はまた、クォン室長に「副首相や企財部がお前に直接連絡することはできない。誤解を受けるから。それで私が(今日クォン室長に会うから) 代わりに伝えると言った」と話した。 イム理事長はクォン室長に対し、検察で「無嫌疑処分」を受けられるようにしてやるとも提案した。 彼は「私が副首相と企財部に全部話しておいた。 クォン室長は無嫌疑だ。力になってほしいと言った。 そしたら、クォン室長も努力しなければという言葉が返ってきた。チェ・ギョンファンに力があってこそ解決されるのだ。 (チェ副首相が)ダメージを受ければ、揺らいでしまうということだけは肝に銘じておけ。 チェ・ギョンファンは実力者だ」と話した。

 監査院は今年7月に公開した「中振公採用不正監査報告書」において、チェ副首相の請託部分は究明できずに請託主体を「外部」として曖昧な結論を出した。 しかし中振公のキム・ボムギュ前副理事長が10月8日に開かれた国政監査で、チェ副首相が採用不正に直接介入したと暴露し波紋が広がった。 結局、イム理事長はクォン室長が検察の捜査でキム前副理事長の暴露を立証するような陳述をすることを阻もうとしたと思われる。

 中振公とチェ副首相側が監査院監査や検察捜査に備えた情況が露わになったのは、これが初めてではない。 中振公の幹部 J氏が11月11日に検察の捜査を受けた後、クォン室長に電話をして「検察に行く前に副首相室と事前の調整をしてから行った。半日ほどかかって調整した」と話した対話記録が公開されもした。

 企画財政部側は中振公関係者に会った事実は認めている。 企財部関係者は「国政監査を控えて副首相問題で会いはしたが、検察の捜査過程で会った事はない。国政監査で関連の話が出れば政治化される可能性があるから検察の捜査を忠実に受けた方がいいのではないかと話した」と言った。

 チェ副首相側はこの日ハンギョレとの電話インタビューで「イム理事長とは全く接触したことがない」と明らかにした。 イム理事長側は「懐柔ではなく今回のことで懲戒まで受けた職員の苦情を聞いて慰労するためだった。個人的な考えを気安く話したまで」と釈明した。

世宗/キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/721808.html 韓国語原文入力:2015-12-14 22:33
訳A.K(1876字)

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