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南北、NLLなど協議体設け米中の支援を引き出すべき

登録:2015-11-22 23:39 修正:2015-11-23 06:24
忠清南道主催「環黄海フォーラム」
忠清南道が20日、扶余ロッテリゾートで開催した「環黄海フォーラム」でムン・チョンイン延世大教授(中央)の司会により参加者たちが環黄海平和共同体の実現方案について討論している =忠清南道庁提供//ハンギョレ新聞社

 黄海(西海)には“葛藤と協力”が共存する。南北、韓中、朝中間の衝突の素地を常に抱えている海だ。 南シナ海および尖閣(釣魚島)を巡る米中、中日間の葛藤も黄海圏の平和を脅かす要素だ。 と同時に隣国・地域間の多くの交流と協力の必要性が切実な地域でもある。 忠清南道が「アジア平和共同体に向かう第一歩」という主題で20日に扶余(プヨ)で開催した「環黄海フォーラム」で、国内外からの参加者たちは、黄海一帯の平和が東アジア平和の重要な前提ということで意見を集約した。 アン・ヒジョン忠南知事は「アジア人の生命と尊厳が守られる恒久的な平和が環黄海地域に根をおろすことを願う」として、「安定した平和秩序の中に忠清南道がアジア平和共同体の夢に向かう小さな一粒になる」と明らかにした。

衝突の素地が今なお残り、交流・協力が必須
米中、黄海では葛藤がなく支援が可能
緊張を解く6カ国協議など検討を
海洋生態系・環境、多層的協力が必要
政府の他に地方自治体と民間が手を握るべき

■「南北が合意して米中の支援が必要」

 張小明・中国北京大教授は「黄海の平和は韓国と北朝鮮が主たる行為者であり、米国と中国の支援も必要」として「4者が共にする平和共同体を構築しなければならない」と語る。 張教授はそのために南北が西海(ソヘ)北方境界線(NLL)等の“境界”問題に関する合意と多様なリスクに対処できる共同協議メカニズムを先ず作る必要があると主張した。 米中は南シナ海とは異なり黄海では実質的葛藤が存在しないので、南北が主導する平和共同体ならば十分支援が可能だということだ。 キム・ジュンヒョン韓東大教授は「南北の和解により米中の平和を誘導できる決定的連結輪が黄海で用意されることもありうる」として、一層積極的な解釈も出した。

 また関連国の範囲を拡げる必要があるという指摘もされた。 2010年西海で起きた天安(チョナン)艦事件と延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件当時に駐韓米国大使であったキャサリン・スチーブンス米スタンフォード大特別研究員は「米国としては韓国と安保分野で協力し軍事的にできることは全て行っている。 必要なことは多者間外交手続きと解決法」として、新たな“6カ国協議”も検討されなければならないと主張した。

 張教授は「黄海が緊張の源泉であることは明らかだ」として「中国が主導した北朝鮮核6カ国協議のように、南北の主導でこの問題を扱う6カ国協議を設けることもできるだろう」と話した。 張小明教授も「環黄海共同体はこの地域すべての利害関係者に開かれていなければならない」として「地域経済協力の増進に日本が含まれなければならず、米国は安保問題の議論に含まれなければならない。 ロシア、モンゴルも条件が用意されれば役割を遂行できる」と話した。

■「多者・多層間の環境協力議論が必要」

 環黄海圏の海洋生態系と環境問題は、各国の中央政府だけでなく地方自治体および民間の多様な層での多者交流・協力を通した“予防”対応が必要な分野だ。 この日のフォーラムでは中国と日本の事例を中心に、環黄海地域環境問題に対する地域間協力の可能性に関する議論が活発になされた。

 深川由起子・早稲田大教授は「日本は環境問題と同時に高齢化問題にも対処しなければならない状況だが、これは韓国や中国も共に直面する問題でもあるので多様な形の協力が可能だろう」と話した。 彼女は四国の松山地域で都市システムを親環境的に再編した“コンパクトシティ”事業が、結果的に公共交通の二酸化炭素排出量を減らし高齢層の経済活動参加を促進すると同時に公共サービスの費用も削減させたと紹介した。

 崔順姫・中国浙江大教授は「中日関係は浮沈があったが環境分野だけは持続的に協力した」として、中国大連の成功談を紹介した。 大連は1990年代後半に日本の北九州と共同研究および政策・技術の輸入など持続的で密度の濃い交流を通じて環境問題で成果を上げた。 2001年大連市は国連環境計画(UNEP)が環境運動分野で活躍する個人・団体に付与する“グローバル500”に名前を上げた。

 忠清南道の海洋水産政策も黄海の環境改善とそのための国際交流基盤の強化に焦点を合わせている。 ホ・ジェヨン忠清南道政策諮問委員会委員長(大田大教授)は「黄海が『豊かで活力ある海、美しく健康な海、世界に向かう交流の海』になるためには持続可能な海洋安全と環境造成が前提になる」と強調した。

キム・ウェヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/718560.html 韓国語原文入力:2015-11-22 19:55
訳J.S(2120字)

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