「私の経験がコンゴだけの出来事ではないことを知りました。韓国で似たような苦しみを経験した慰安婦ハルモニ(お婆さん)たちに会うのが非常に楽しみです」
12日、ソウル麻浦区の韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)4階にある庭で会ったサフィ・バハティ氏(50)の顔には、悲しみと喜びが混じり合っていた。「戦時性暴力の被害と苦痛」について証言するため、遠いアフリカのコンゴ民主共和国から11日、韓国に着いたサフィ氏は、3年前の凄惨だった記憶に苦しみながらも、遠い他国で痛みを分かち合える人たちに会えることを楽しみしていた。
2012年、アフリカのコンゴ民主共和国で内戦が起きた。反乱勢力が一般家庭に押し入って銃を乱射し、人々が恐怖に襲われる隙に、牛やヤギ、生活必需品が略奪された。性的暴行もためらわなかった。サフィ氏が住んでいるコンゴ東部のルシュル村にも反乱軍が攻め込んできた。5人の男が、サフィ氏の家族が営むキャッサバ農場を略奪した後、サフィ氏の夫を殺した。彼らは、農場に滞在し、夫を失ったサフィ氏を順番にレイプしてから、農場から追い出した。7人兄弟の子供たちもバラバラになった。サフィ氏の人生は一瞬で壊れてしまった。サフィ氏は「あまりにも苦しかった」と涙を流した。
農場を追い出されて路頭に迷っていたサフィ氏は通りかかった人に助けられ、近くのゴマ市から「ユシリカ」という団体に移された。韓国の女性団体連合のような役割をする所で、彼女は自分と似たような経験をした被害者と知り合うことになる。「私のような境遇の姉や妹たちに会って、私が経験したことが私の人生の一部にすぎないことを痛感させられました」。サフィ氏は再び立ち上がる決心をした。
当時の痛みはただ記憶を消すだけでは回復できなかった。反乱軍の性的暴行で妊娠したサフィ氏は3年前の悪夢が生活の一部になった。ユシリカの助けを借りて、安全に赤ちゃんを出産したが、「今3歳になった娘を見ると、複雑な心境になる。かわいそうだと思いながらも、父親が誰なのかも分からない状態」だとして、苦しんでいた。
現在サフィ氏は3歳の娘を含めて、行方が分からなくなった子供たちのうち6人と再会し、ユシリカが提供してくれた住居地で安定を取り戻している。コンゴ赤十字社の「離散家族探し」プログラムを通じて、息子1人を除いた6人兄弟を見つけ出した。子供と再び一緒に暮らすようになったサフィ氏は、最近さらに頼もしくなった。「私が韓国に行くことを話したら、子供たちがママの話を理解してくれる人に会って癒してもらえるように祈っていると言ってくれました」と笑顔で話した。
サフィ氏の家族が1カ月間生活費するには、最低でも約29万ウォン(約3万8000円)はかかる。彼女はユシリカから生活費の支援を受けている。挺対協はこの団体に、今年1000ドルを支援した。サフィ氏は「コンゴではこの基金に、非常に助けられている」と伝えた。挺対協は創立25周年を迎え「戦時下の女性に対する暴力に挑戦する国際女性行動」というテーマで13日にシンポジウムを開く。ここでサフィ氏は「終わらない戦争、反乱軍による性暴力」をテーマに証言する。
韓国語原文入力:2015-11-12 21:37