「私にも、誤ったことは認め、これから知らなかった部分を学んでいく考えがあります。ところが、私の行動に対する非難が私に集中するのではなく、学校や先生たちにも向けられており、申し訳ありません」
10代の少女は、結局涙を見せてしまった。ハンギョレとの電話インタビューで、落ち着いて話していた学生は、結局「先生方に申し訳ない」と泣き崩れた。国定化に反対して「左派的発言」をしたという理由で、国定化を支持する保守団体や個人がまだ若い女子高生に露骨な非難を浴びせている。この生徒が在学中の学校は殺到する抗議電話で業務が麻痺した状態だ。
6日、その学生が在学中の京畿道K高校関係者は「一般的な抗議電話のレベルではない。今、学校業務が麻痺した状態だ。学校が危機に直面している」と説明しこう語る。「生徒の身辺も非常に深刻な状況にある。イルベサイトを見ると、家族や親たちの個人情報まで公開されているようだ。生徒を保護するためどうすればいいのか心配だ」。K高校はこの日、生徒を保護すると共に、学校の通常の業務遂行のために「緊急対策委員会」を構成することにした。この関係者は「法的対応のために京畿道教育庁に弁護士の選任などを依頼した」と明らかにした。
被害生徒は、国定化に反対する意思を明らかにして「プロレタリアレボリューション(革命)が必要だ」と発言した内容が5日、マスコミに報道されてから、様々な非難に苦しめられてきた。生徒はその後、自分のSNSのアカウントにその表現を使ったことについて、「社会には対立する二つ階級が存在し、意見を提示するためには、各階級が力を集めなければならないという程度で理解していた」とし「適切でない用語の使用で皆さんに不快な思いをさせた点を、本当に申し訳なく思っている」と謝罪文まで掲載した。しかし、極右指向のネチズンが集まる「日刊ベスト貯蔵所」(イルベ)などでは、学生の家族事項や過去の写真、そして在学中学校の全教組の教師名簿まで載せられるなど、事実上「魔女狩り」が行われている。
教科書国定化に反対する他の学生たちも同じだ。学校側に生徒を懲戒するよう要求まで殺到している。大邱(テグ)地域のある生徒は、「私が国定化に反対するとインタビューした記事を見て、親たちが『懲戒しろ』『しっかり教育しろ』と抗議の電話をかけてくるそうだ。担任の先生と教頭先生が面談で今後、学校の名前は公開しないように勧められた」と述べた。
国定化に賛成する保守的な親の団体は、公人でもないのに、高校生の実名を挙げて、該当する学校の教師たちに対する懲戒を求めた。公教育を生かす親連合(公学連)は5日に出した報道資料で、国定化への反対意見を明らかにした生徒の実名に触れ、「全教組と校長が生徒の思想を汚染させた」と露骨に非難した。公学連は他に国定化に対する反対意見を明らかにした生徒の所属学校2カ所の実名を公開すると共に、同校の教師たちに対する懲戒を要求した。公学連が取り上げた学校の関係者は、「生徒たちは正当に集会申告を行っていった。(公学連の声明は)対応する価値がない」と述べた。
特に全教組は、公学連がコ・ギョンヒョン全教組政策交渉、歴史教師を務める学校だとして、国定化対デモに出た高校の歴史サークルの生徒たちを非難したことと関連して、法的対応を検討している。コ局長は「所属学校に休職中の状況にサークルの学生とは連絡を交わしたことがない。国定教科書の当事者で、国民に、本人の所信で集会に参加した生徒を扇動の対象にして、また私の学生を扇動したもので歪曲報道したのは、深刻な名誉毀損」と述べた。
賛否問題の対立と葛藤はあることだが、既成世代が生徒を攻撃したり、理念攻勢に活用する態度は、深刻な人権侵害との指摘もされる。キム・ミンテ京畿道学生人権擁護官は、「青少年の意思表現の自由は、国連でも保証するように勧告しており、大韓民国政府もこれに対するいかなる制限も加えないと約束していた。生徒たちを相手にした非難や攻撃はありえないこと」だとし「その学校が懲戒、強迫、懐柔せずに学生を保護できるように基本的な事項について勧告する」と述べた。
韓国語原文入力: 2015-11-06 19:53