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国連自由権規約委員会「政党解散は最後の手段」…統合進歩党解散決定に憂慮示す

登録:2015-11-07 00:42 修正:2015-11-07 07:46
去る1月22日午後、ソウル瑞草区大法院大法廷でイ・ソクギ前統合進歩党議員などの内乱陰謀事件の上告審宣告公判が開かれている。写真共同取材団 //ハンギョレ新聞社

 韓国の自由権保障の状態を調べた国連自由権規約委員会が6日、統合進歩党の解散を懸念する内容の勧告を発表した。同委員会は2006年の調べで、合わせて12項目の懸念事項を発表したが、今年は25項目で2倍以上に増えた。

 勧告によると、同委員会は「2014年、憲法裁判所によって基本民主秩序を破壊するという理由で行われた統合進歩党解散の決定は、同党のメンバーが北朝鮮の思想を広げているという疑いに基づいていた」とし「しかし、政党解散は最後の手段として使われるべきで、非常に制限的、また比例性の原則に沿って行われなければならない」と指摘した。同委員会は報告書の「懸念と勧告事項」の部分に「統合進歩党の解散」という項目を別に設けるなど、主な内容として取り上げた。

25項目の勧告を発表...9年間で2倍に 
国家保安法7条の廃止、人権委の独立などを勧告 

民弁 「政府、勧告案を重く受け止めるべき」 
法務部「自由権後退した結果ではない」

 政府は統合進歩等の解散と関連し、同委員会の審議委員などに「統合進歩党は暴力によって北朝鮮式社会主義を追求して大韓民国の憲法上の価値を毀損した」と主張したにもかかわらず、勧告案に懸念事項として盛り込まれるのを防げなかった。

 同委員会はまた、サイバー監視について懸念を示し、通信会社の利用者情報は、令状なしでは確認できないようにすべきだと勧告した。同委員会は、情報・捜査機関が令状なしで「通信データ」の提供を受けられるように定めた電気通信事業者法83条3項に触れ、「自由権規約と調和するように、法を改正する必要がある」と明らかにした。

 この他にも同委員会は、包括的差別禁止法の制定、死刑の廃止、国家保安法7条の廃止、国家人権委員会の独立性を保障、公務員と失業者を含むすべての労働者に対する労組加入の権利保障、代替服務制の導入などを韓国政府に勧告した。

 民主社会のための弁護士会(民弁)など83市民団体は「国連自由権審議に対応するための韓国NGO会」を設け、韓国の自由権侵害の問題などを盛り込んだ共同報告書を国連自由権規約委員会に提出した。イ・ドンファ民弁チーム長はハンギョレとの電話インタビューで、「過去の審議より2倍以上に懸念事項が増えたのは、韓国の自由権が大幅に後退しているという事実を示している」とし「委員会が法律の変更や廃止などの強力なレベルの勧告を行った事実を韓国政府が重く受け止めなければならない」と述べた。これと関連し、法務部関係者は「9年間、世界の人権問題が多様化されて委員会の懸念事項が増えたものと思われる」とし「自由権が後退したため、このような結果が出たとは思わない」と述べた。

 自由権規約は、平等権、生存権など6領域53条項で構成されている。「経済・社会・文化的権利に関する国際規約」、「世界人権宣言」と共に、最も基本的な国際人権条約だ。三つを合わせて「国際権利章典」と呼ぶこともある。同委員会は、規約に順守するかどうかを不定期的に審議しているが、韓国はこれまで4回の審議を受けた。

チョン・ファンボン、チェ・ヒョンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2015-11-06

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/716342.htm l訳H.J

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