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統合進歩党強制解散決定に憲法裁判所機構「ベニス委員会」も注目

登録:2014-12-21 20:34 修正:2014-12-22 07:52
「ベニス委員会」が裁判を注視…
「決定文送ってほしい」と要請
ガイドラインは「きわめて厳格で制限的に」
国際的評価に関心集中
パク・ハンチョル憲法裁判所長(中)が19日午前ソウルの憲法裁判所で開かれた統合進歩党政党解散審判事件宣告で「被請求人統合進歩党を解散する」という主文を読んでいる。左は主審を務めたイ・ジョンミ裁判官、右は唯一少数意見を出したキム・イス裁判官 イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 憲法裁判所の統合進歩党解散決定に世界の憲法裁判機構も注目している。

 世界の憲法裁判機関の会議体である「ベニス委員会」は、憲法裁判所の決定以前からこの事件を鋭意注視してきた。 今年9月に韓国で開かれたベニス委員会会議の時も多くのメンバーが「結果が出たら知らせてほしい」と要請したと伝えられた。 また、カン・イルウォン裁判官が11~14日にベニス委員会を訪問した当時、前任委員長がカン裁判官に「決定文が出たら送ってほしい」と要請したという。

 ベニス委員会は2009年に発刊した「政党制度に関する実践規約」などを通じ「政党解散審判制度はきわめて厳格且つ制限的に使われなければならない」というガイドラインを提示したことがある。

 今回の憲法裁判所による決定も、ベニス委員会のガイドラインを意識したと見られる。 憲法裁判所は政党解散理由である「政党の目的や活動が民主的基本秩序に背く場合」に加えて、「政党解散で得る利益が政党解散で侵害される価値より大きくなければならない」という比例の原則も適用した。 憲法裁判所の決定文に「反国家団体である北朝鮮と対峙している大韓民国の特殊な状況も考慮しなければならない」と言及した部分などがそれだ。

 だが、憲法裁判所が統合進歩党の活動の「実質的・具体的危険性」を過度に包括的に解釈し、政治的自由を侵害したという批判が提起されており、これに対してベニス委員会がどんな評価をするかも注目される。

 憲法裁判所は近い将来、決定文を英文に翻訳して英文ホームページに上げる計画だ。 現在、報道資料は英文ホームページに掲載されている。 憲法裁判所関係者は「ベニス委員会を通じて世界憲法裁判機関が韓国の決定文を共有することになるだろう」と話した。

 1990年東ヨーロッパに民主主義を拡散するために設立されたベニス委員会の公式名称は「法を通した民主主義ヨーロッパ委員会」だ。 ヨーロッパ連合47か国が主軸となり韓国も正式会員国だ。 カン・イルウォン裁判官は今月13日、ベニス委員会傘下の憲法裁判共同委員会委員長に選出された。 委員会と世界憲法裁判機関の間の関係を調整し、各国の憲法裁判所判例データベースを構築する業務を総括する。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/670032.html 韓国語原文入力:2014/12/21 17:07
訳J.S(1285字)

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