19日に行われた大統領府の外交安保ライン一部交替は、韓国型戦闘機(KFX)開発事業に関連する核心技術移転が失敗に終わったことに対する問責性人事と見られる。 だが、朴槿恵(パク・クネ)大統領は次期戦闘機事業を公開入札から随意契約に切り替えて交渉力を弱化させたキム・クァンジン国家安保室長(当時、国防部長官)に対する責任は問わなかった。 チュ・チョルギ外交安保首席を交替する線で大統領府が“尻尾切り”に出たという批判が出ている。
米国政府は今年4月、韓国型戦闘機開発事業の核心技術である位相配列式(AESA)レーダー、赤外線探知および追跡装置(IRST)、電子光学標的追跡装置(EOTGP)、電磁波妨害装備の核心4技術の移転不許可を韓国政府に公式通知した。 だが、公式通知以前の昨年5月、チュ・チョルギ首席はすでに専門家グループから対面および書面でこれらの技術が米国政府の輸出承認不許可技術であることを報告されていたことが確認された。 しかし、技術移転が不可と知りながら、別に措置を取りもせず防衛事業庁・空軍とロッキードマーティン間のF-35導入契約を“放置”した。 また、米国政府の4月の通知以後、2カ月が過ぎた6月になって関連事項を把握したが、この事実についても朴大統領に報告しないなど全般的な事態収拾過程に問題があったということが大統領府民政首席室の調査で明らかになったと伝えられた。 その後、大統領府内部でチュ・チョルギ首席問責論が提起され、チュ首席は朴大統領の米国歴訪直前に辞意を表明したという。
だが、朴大統領はチュ・チョルギ主席を交替させ、キム・クァンジン国家安保室長は留任させ、一部で提起された「外交安保ライン問責論」を回避した。 キム・クァンジン国家安保室長は国防部長官だった2013年9月、価格入札で単独通過した米ボーイング社のF15SEの代わりに、ロッキードマーティンのF-35に機種を変更し随意契約を行うこととし交渉力を大幅に弱化させたという批判を受けてきた。 次期戦闘機事業の乱脈様相を、最初に原因を提供したキム・クァンジン室長には問わず、以後の状況収拾の責任を問いチュ・チョルギ外交安保首席だけを交替させたのは典型的な“尻尾切り”という批判が出てくる背景だ。 しかし大統領府側は技術移転ができなくとも自主開発が可能だという防衛事業庁と国防部の疎明を受け入れたという。 現在、戦闘機開発事業に支障が生じたわけでもないのに、事業自体に対する責任を問うことは適切でないという説明だ。 軍事専門家であるキム・ジョンデ正義党国防改革企画団長は「次期戦闘機開発事業全体を決めた人は、現在大統領府国家安保室長であるキム・クァンジン当時国防部長官」とし「今、責任者数人が関わっているので1人の尻尾切りで解決される問題ではないと見る」と話した。