米国が韓国型戦闘機(KF-X)開発のための技術4件の移転は難しいことを再確認した。 代わりに韓米は防衛産業協力のための協議体を構成することにしたと韓国国防部が明らかにした。
アシュトン・カーター米国防長官は15日(現地時間)、米国防省ペンタゴンでハン・ミンク国防長官に会い、こうした立場を明らかにしたと韓国国防部が伝えた。 この日、韓米国防長官会談でハン長官は「韓国型戦闘機事業のための技術移転に関して前向きに検討すること」を要請したが、カーター長官は「条件付きKF-X 4つの技術移転は難しい」と明らかにした。 その代わり「技術協力方案を共同で模索してみたい」という提案を示したと付け加えた。 カーター長官は前日、駐韓米国大使館を通じて国防部に同じ立場の書簡を送ってきた国防部が明らかにした。 カーター長官の書簡は昨年8月、ハン・ミンク長官が技術移転を要請する書簡を送ったことに対する返信だ。
国防部はまた、この日の会談で「両国長官が韓国型戦闘機事業への協力を含めて防衛産業技術協力を増進するための韓米間協議体を構成し運営することで合意した」と明らかにした。 この日合意した協議体は、国防部や防衛事業庁など関連分野の多様な人々で構成される予定だと伝えられた。 国防部当局者は「具体的にどのように構成し運用するかは追加議論をしなければならない」として「今回合意した協議体では、主に韓国型戦闘機開発に関連した技術協力が協議されるだろう」と説明した。 しかし協議体を構成しても、核心技術4件の移転不許可方針には変わりがないとする米国が韓国の技術協力要請にどの程度応じるかは疑問という指摘もある。
当初、米国は今年4月に韓国が次期戦闘機(FX)事業の折衝交易で移転を要請した25件の技術のうちレーダー統合技術など4件に対して輸出承認(EL)不許可の立場を通知した。 このような事実が先月の国会国政監査で遅れて公開され、韓国型戦闘機開発事業が支障をきたすのではないかという疑問と共に、これまで政府が米国を説得するための外交努力が不足したのではないかという叱責が相次いだ。 今回、米国を訪問中の朴槿恵(パク・クネ)大統領に随行したハン・ミンク長官が、カーター長官に直接会って技術移転を要請したのはこのような国内世論の圧力に押されてなされた側面が大きい。 国防部関係者は「米国の技術移転不許可方針が変わる可能性は大きくないと見たが、最善を尽くすという意味でハン長官がカーター長官に直接要請した」と話した。 これに伴い、面目を保つためだけの後手外交ではないかという批判も出ている。
米国が技術移転不可の立場を再確認したことにより韓国型戦闘機開発事業の支障憂慮が再び提起されている。 米国が移転を拒否した技術は、AEASA(能動電子走査)、レーダーと赤外線探索追跡装備(IRST)、電子光学標的追跡装備(EO TGP)、電磁波妨害装備(RF Jammer)の4装備をそれぞれ戦闘機システムに統合する技術だ。これらの装備はこれまで国内開発を推進してきた。 最も難しい技術が必要なAEASAレーダーの場合、2006年から韓国国防科学研究所(ADD)の主管で防衛産業企業であるLIGネクスウォンが開発を進めている。 防衛事業庁は最近このAEASAレーダー開発の完了時点を2024年から2021年に3年操り上げると明らかにした。
問題はレーダーなどこれらの装備を戦闘機システムに統合する技術だ。戦闘機の任務統制コンピュータがこれらの装備を認識し命令信号や情報をやりとりして円滑に運用できるようにするソフトウェア ソースコード開発のための技術を米国が輸出統制しているわけだ。 韓国国内の関連技術経験は軽攻撃機FA-50を製作する時に機械式レーダー(MSA)を統合した経験がその全てだ。 しかしAEASAレーダーは機械式レーダーとは異なり半導体送受信機モジュールで構成された高性能レーダーだ。 実際F-15KやKF-16は機械式レーダーを使っているが、より高性能なF-22やF-35Aなどステルス戦闘機はAEASAレーダーを搭載している。 そのため、果たして自主技術で開発できるかに関して疑問を提起する声が出ている。
これに対して韓国国防科学研究所側は「機械式レーダーの統合経験を通じてすでに関連技術の90%は確保している」として「残りの技術は国内開発を優先的に推進するものの必要に応じてヨーロッパなど海外技術支援を通じて確保する計画」と明らかにした。 研究所側関係者は「米国の技術移転拒否に備えて既にヨーロッパのサーブやセレックスと既にレーダーシステム統合技術に関連した協議を行っており、ヨーロッパ企業も肯定的な反応を見せていると承知している」と話した。
また防衛事業庁は赤外線探索追跡装備と電子工学標的追跡装備、電磁波妨害装備のシステム統合技術3件についても「多様な技術検討の結果、韓国国内での開発を優先推進するものの、必要な場合には海外技術の協力を得て開発が可能という結論を得た」と明らかにした。 これらの技術の米国からの導入が行き詰まり、自主開発に計画を変更したことに伴う費用増加の可能性についても国防部関係者は「これら装備の開発とシステム統合技術の開発予算として当初から策定された8千億ウォン(約800億円)の枠内で全て解決できるので追加費用発生の理由はない」と話した。