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朴槿恵大統領絶賛「ニューライト教科書」の学者がそろって高位職に

登録:2015-10-19 09:03 修正:2015-10-21 16:28

執筆・監修17人中6人が出世
3人はセヌリ党でも要職担う
保守学者「登竜門」への憂慮

イ・インホ・ソウル大名誉教授はKBS理事長に//ハンギョレ新聞社

 2008年に出版されたニューライト系の『代案教科書韓国近現代史』(以下、代案教科書)の執筆・監修陣のうちの相当数が李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政権で高位公職に就くなどしている事実が明らかになった。代案教科書は出版当時、朴槿恵大統領(当時国会議員)が絶賛していたこともあり、今後政府が制作する中高校の国定教科書のモデルになると憂慮されている本だ。

 ハンギョレが18日、代案教科書執筆(12人)と監修(5人)に参加した学者17人の公職進出状況を調べると、このうち6人がその後次官級以上の高位公職に就いていた。彼らは代案教科書を作ったニューライト系の歴史団体「教科書フォーラム」の主軸メンバーだった。2008年に出版されると同時に親日・維新体制美化問題を巻き起こした代案教科書の出版記念会に朴槿恵大統領が直接訪ね、「私たちの歴史を正して先進韓国を作るのに私も皆さんと共にする」と述べた。

 執筆陣のうちの一人のキム・ヨンジグ誠信女子大教授が2009年に「真実・和解のための過去事整理委員会」の次官級常任委員に抜擢されたのに続き、同大学のキム・ヨンホ教授も2011年に大統領室統一秘書官に選ばれた。朴大統領が就任した後は彼らへの“偏愛”がより目立つようになる。

パク・ヒョジョン・ソウル大名誉教授は放送通信審議委員長に//ハンギョレ新聞社

教科書フォーラム会長で執筆に参加したパク・ヒョジョン・ソウル大名誉教授は、言論界と市民社会が反対する中、2014年に放送通信審議委員長に任命された。監修を担ったユ・ヨンイク延世大客員教授とイ・インホ・ソウル大名誉教授も、それぞれ国史編纂委員長とKBS(韓国放送)理事長に就任した。執筆に参加したキム・グァンドン・ナラ政策研究院長は、2009年に放送文化振興会の与党推薦理事として就任した後、9月に再び理事に選任され、前例のない3選を達成した。

 セヌリ党との密接な関係も目立つ。執筆に参加したキム・ジョンソク弘益大教授は6月からセヌリ党のシンクタンク「汝矣島(ヨイド)研究院」院長を務めている。パク・ヒョジョン教授は2012年にセヌリ党政治刷新特別委委員を任されたのに続き朴槿恵大統領の大統領職引継ぎ委員会政務委員会幹事として活動した。キム・ヨンジグ教授もセヌリ党の大韓民国大統合委員会委員として活動したことがある。

 歴史学界の関係者は「国定教科書執筆に誰も参加しようとしない状況で右翼偏向の教科書執筆陣の公職進出は、一部の保守学者に『この機会を登竜門に活用できる』というシグナルを与えてしまう」と憂慮した。

オム・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-18 22:46

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/713399.html 訳Y.B

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