本文に移動

[ニュース分析]朝鮮半島情勢、韓米首脳会談が交渉か対決かの第一分岐点

登録:2015-10-13 02:51 修正:2015-10-13 05:35
北朝鮮の軍事パレード以降
金正日朝鮮労働党第1書記(左から4番目)と劉雲山・中国共産党中央政治局常務委員(左端)が10日、労働党創建70周年記念式典で話している=平壌/朝鮮中央通信連合ニュース

韓米首脳が示す対応策に注目集まる
朴大統領、ペンタゴン訪問なども要因
専門家「6カ国協議など対話に乗り出すべき」

 北朝鮮が労働党創建70周年記念日にロケット発射や核実験を行わず、朝中関係復元の動きが表面化した中で、16日(現地時間)、ワシントンで開かれる韓米首脳会談に注目が集まっている。韓米両首脳が北朝鮮に対してどのような対応方針を示すかによって、朝鮮半島情勢が交渉か対決と軋轢かに分かれる可能性があるからだ。

 韓米両首脳が、10日の労働党創建記念行事を前後した北朝鮮と朝中両国の動きに込められた3つのメッセージ(核実験やミサイル発射を行わず、朝中関係の復元、金正恩<キム・ジョンウン>労働党第1書記の「人民第一主義」の強調)をどのように解釈し、どのような対応策を示すのかが重要だ。今回の首脳会談は、朴槿恵(パク・クネ)政権の残りの任期中の朝鮮半島情勢を予測できる第一分岐点となる。

■中国の「中朝関係の復元」に込められた意味

 党創立記念行事に出席した劉雲山・中国共産党中央委員会常務委員が権力序列5位という点よりも、習近平・党総書記の「側近中の側近」である党中央委書記処書記(当事務総長格)という事実に注目する必要がある。習主席が劉雲山常務委員に託した親書で「労働党が絶えず発展することを祈念して中朝間の友誼が代々続いて伝承されることを希望する」としたことを受け、金正恩第1書記も「金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記が残した最大の外交的遺産は、朝中間の友誼」だと答えた。習主席は金正恩体制を公式に認め、金第1書記は、朝中の関係が「唇滅びて歯寒し」であることを強調したのだ。劉雲山常務委員の訪朝をきっかけに“金正恩―習近平の間接会談”が行われたとされるのも、そのためだ。これは、2013年に北朝鮮の3回目の核実験(2月12日)に基づく「対北朝鮮制裁」と張成沢(チャン・ソンテク)党書記の処刑(12月12日)以降“朝中関係の乱気流”を背景に持続されてきた朝鮮半島情勢に、質的な変化が避けられないことを意味する。

 「朝中関係の復元」は、まず、中国の対北朝鮮経済協力と支援を期待させる。これは「人民第一主義」を掲げて内治基盤の強化に努める金正恩第1書記にとっては大きな力になる。第二に、日本が「戦争できる国」に生まれ変わるように、背後から対中国牽制に力を入れている米国に向けた習主席の“警告”として捉えられる。米国が韓米日の「南方3角協力」を強化し、中国牽制に乗り出した場合、中国も朝中ロの「北方3角協力」で対抗するというメッセージだ。

■朴槿恵大統領のペンタゴン訪問の含意

 朴大統領はバラク・オバマ米国大統領とワシントンで首脳会談を行う前日の15日(現地時間)にペンタゴンを訪問する。大統領府高官は11日、「堅固な韓米連合防衛態勢の再確認」するためだと説明した。これに対して「中国偏向」への懸念を払拭しようとする措置という解釈があるが、朴大統領が訪米前、北朝鮮の核実験やミサイル発射を前提とした韓米両国の強力な対応意志を強調しようとしていたのではないかという分析(チョン・セヒョン元統一部長官)もある。

 しかし、北朝鮮が労働党創建70周年記念日を特別な「軍事的挑発」もなく終えたことで、事情が変わった。劉雲山常務委員が9日、金正恩第1書記に会って、「6カ国協議が再開されることを望んでいる」と重ねて強調したことを受け、金第1書記は、「経済発展と民生改善のために平和的かつ安定的な外交環境が必要である」と答えた。ただし「6カ国協議復帰」を約束することはなかった。韓米首脳会談の結果を見守るという留保的な態度として解釈できる。

 チョン・セヒョン元統一部長官は12日、「韓米の両首脳が16日の会談で、6カ国協議再開に向けての仕切りを低くする必要がある。 6カ国協議を再開して、朝鮮半島情勢を対立と軋轢よりは、対話と協力の局面に転換しなければならない」と指摘した。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-12 19:46

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/712469.html 訳H.J

関連記事