登録 : 2015.10.05 01:29 修正 : 2015.10.05 05:59

 南北間の「8・25合意」から1カ月を少し経ただけなのに、すでに「そんなことがあったのか」という雰囲気だ。離散家族の再会行事が1回行われただけで終わってしまった、昨年2月の第1次南北高位級接触の前轍を踏むのではないかと懸念される。前回は、対北ビラ散布などが問題になったが、今回は北朝鮮の長距離ロケット発射の可能性が8・25合意を圧迫している様相だ。

 北朝鮮がロケットを発射すると実際に表明したことはない。韓米が発射の可能性を事前に警告したため、「衛星の打ち上げは主権の行使」という従来の立場を重ねて表明しただけだ。だからといって韓米が北朝鮮のロケット発射の可能性の具体的な根拠を提示したわけでもない。北朝鮮が最近、東倉(トンチャン)里発射場の施設を増改築したうえ、10日、労働党創建70周年であるため、発射する可能性が高いという情況に依拠した側面が大きい。とはいえそれが誤った予測とは言い切れない。北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記の執権以来、1回目は2013年4月の金日成(キム・イルソン)主席生誕100周年頃、2回目は同年12月の金正日(キム・ジョンイル)総書記の命日に合わせて(ミサイルを)発射した前歴がある。また発射体の改良は技術的にも必要となるため、発射しないとは断言できない。北朝鮮が発射しないと言ったこともない。

 北朝鮮が実際(ミサイルを)発射するかどうかは分からない。ロケットを発射した場合、得るものよりは失うものの方が大きいと思われる。発射の強行により、北朝鮮はさらに国際的な孤立に追い込まれるだろう。それでも指導部の権威強化や内部の結束など、国内の政治的必要もあるはずだから、速断することはできない。しかし発射しても、発射しなくても南北関係は既に薄氷の上を歩いているような状況だ。ロケット発射をめぐり交わした刺々しい舌戦は再び不信の壁を積み上げた。

 今回も南北関係の復元が実現できなかったら、いつ再びチャンスが訪れるだろう。機械的に計算すれば、昨年2月の合意が朴槿恵(パク・クネ)政権発足以降約1年ぶりのことで、今回の合意はそれから再び1年6カ月後のことだったから、再びそれぐらいの時間が必要なのではなかろうか。2度に渡る合意がそれといった成果も出せなかったら、不信感もさらに募るだろうから、もっと時間がかかるかもしれない。それがまた、今回のように南北間で一触即発の軍事的緊張が最高潮に達してから、ようやく南北対話の扉が開かれるようなものだったら、恐ろしいことだ。

 最近になって、朴大統領は、統一の話をよく口にする。外国でも躊躇うことなく(統一を)語る。先月、習近平・中国国家主席に会った際に「統一について議論を深めた」と述べたそうだ。最近の国連総会演説でも「統一された朝鮮半島を全世界に祝ってもらえる日が一日も早く訪れることを夢見ている」と訴えた。いわゆる「統一外交」だ。しかし、南北間の和解と協力、平和の道もまだ先が遠いのに、しっかりとした道しるべもなく統一を唱えているため、突拍子もなく感じられるうえ、下手な「北朝鮮崩壊論」の変形に聞こえてしまう。それに任期末の李明博(イ・ミョンバク)前大統領が、口を開けば統一を語っていた姿と重なって不吉な感じまでする。

 “原則”といえば朴大統領を思い浮かべがちだが、実際「原則ありきの対北政策」は、イ前大統領が元祖だった。しかし、任期後半、その“原則”だけでは何もできないことを思い知らされてからは、突然「統一は泥棒のようにやって来る」とか「統一税」、「統一壺」などを持ち出したではないか。統一論が対北朝鮮政策の失敗隠しに見えたのは言うまでもない

パク・ビョンス政治部先任記者//ハンギョレ新聞社
 北朝鮮が8・25合意事項である離散家族の再会行事の中止を脅かしたとはいえ、破棄を宣言したことはない。南北労働者統一サッカー大会と金剛山の松病害虫の防除作業、南北の宗教行事など、いくつかの南北交流も予定通りに進められている模様だ。まだ道が開かれているわけだ。今折り返し地点を過ぎた朴大統領の任期を考えると、今回が最後の機会かもしれない。積極的な意志と思慮深い知恵を期待する。

パク・ビョンス政治部先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-10-04 18:48

http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/711303.html 訳H.J

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