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大統領府が韓国型戦闘機事業の検証に着手

登録:2015-09-25 22:34 修正:2015-09-26 05:50
 F35選定・技術移転不許可など協議過程全般について資料提出を要求
 防衛事業庁・軍当局不正有無をチェック
米テキサス州フォートワース海兵隊基地の生産ラインで組み立てられている米軍の次世代戦闘機F35=フォートワース/ロイター聯合ニュース

 大統領府が18兆4000億ウォン(約1兆8000億円)の予算が投入される韓国型戦闘機(KFX)開発事業(ポラメ<鷹>事業)の検証に着手した。米国政府がロッキードマーティンの4大核心技術の移転を拒否したことにより、これを前提に推進されてきた韓国型戦闘機事業の推進に赤信号が点いたためだ。 特に検証主体が国家安保室ではなく民政首席室なので、大統領府が今後の検察捜査まで念頭に置いて政策決定過程の問題や不正有無などの確認に乗り出したのではないかという観測も出ている。

■KFXの概要および問題点

 ミン・ギョンウク大統領府報道官は25日、「民政首席室が(韓国型戦闘機事業と)関連事実を検討中」と明らかにした。 ミン報道官は「(関連者を)召還調査した事実はない」と付け加えた。 民政首席室は前日午後、電撃的にこの事業を担当している防衛事業庁の関連部署に関連資料の提出を要請したと防衛事業庁側が伝えた。 チャン・ミョンジン防衛事業庁長は25日、幹部を招集して緊急会議を開いたと伝えられた。 防衛事業庁の関係者は「事業管理本部長と航空機事業部長、次期戦闘機事業および韓国型戦闘機事業の折衝交易に関連した元・現職の担当者が関連資料を整理して大統領府に提出する予定」と話した。民政首席室が公職者の監察と調査を担当する部署なので、大統領府が防衛事業庁と軍当局の事業推進過程における問題点や不正の可能性を綿密に調査するのではないかとの見解もある。

 大統領府はまず、防衛事業庁が2013年に次期戦闘機としてF-35Aを提案した米国ロッキードマーティンと韓国型戦闘機開発技術確保のための折衝交易交渉をどのように進めたのかを調べていると予想される。 当時防衛事業庁は、ロッキードマーティンが当初から、位相配列(AESA)レーダー▽赤外線探索および追跡装備(IRST)▽電子光学標的追跡装備(EOTGP) ▽電子戦ジャマー統合技術の戦闘機開発の4大核心技術を譲ることは難しいと明らかにしたのに、関連技術の移転が可能だと言ったボーイングのF-15SEを脱落させF-35Aを選択した。それでも国会とマスコミには折衝交易形態で4大技術をロッキードマーティンから譲り受けることができると説明してきた。 また、今年4月米国政府が技術移転を最終的に許さなかった後にも、最近までこのような事実を公開しなかった。 民政首席室は防衛事業庁と軍当局が当初最優先候補であったF-15SEを脱落させ、再入札を通じてまでF-35Aを押しつけた理由、およびその過程で国防部と大統領府国家安保室などがどのように対応したのかを確認するものと見られる。

 これと関連してチャン防衛事業庁長はこの日、記者団と会い「大統領に対面報告したのは今年3月が最後」とし「その後は報告しなかった」と明らかにした。 4月に米国政府が技術移転を許可しないとした事実を大統領に直接報告していないと認めたわけだ。 ただし彼は、実務陣が他の経路で大統領府に報告した可能性については排除しなかった。

 4大技術の移転が失敗に終わった状況で、今後韓国型戦闘機事業が予定通り進行できるかも疑問だ。 防衛事業庁は韓国内の自主開発とヨーロッパなどからの技術導入を通じて韓国型戦闘機事業を計画どおり推進できると明らかにしたが、懐疑的に見る専門家も多い。 4大技術以外にもF-35Aの購買代価として技術移転を要求した21の技術についても米国政府が11月に許可を出すか不透明な状況だ。 これらの技術導入まで失敗に終われば、2025年まで8兆8千億ウォン(約8800億円)を投じて開発を完了するという防衛事業庁の構想は根底から揺らぐことになる。 時期を引き延ばして、費用が跳ね上がることが確認されれば、韓国型戦闘機の開発事業自体が原点から再検討されることもありうる。

ソン・ウォンジェ、チェ・ヘジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/710521.html 韓国語原文入力:2015-09-25 19:18
訳J.S(1780字)

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