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「梨泰院殺人事件」のパターソン被告、16年ぶりに韓国送還

登録:2015-09-23 01:24 修正:2015-09-23 04:18
 明日拘置所に収監され、間もなく裁判に
チャン・グンソク主演の映画『梨泰院殺人事件』の一場面//ハンギョレ新聞社

 「梨泰院(イテウォン)ハンバーガー店殺人事件」の真犯人とされる米国人アーサー・パターソン被告(36)が、米国に逃亡してから16年ぶりに韓国に送還され、法廷に立つことになる。

 法務部は22日、1997年4月にソウル梨泰院のハンバーガー店のトイレで大学生だったチョ・ジュンピル氏(当時22)を殺害した容疑がかかっているパターソン被告が、米国ロサンゼルスを出発して23日午前4時40分頃、仁川空港に向かう便で送還されると発表した。パターソン被告は拘置所に収監されてから、法廷に立つ予定だ。ソウル中央地検が2011年12月にパターソン氏をすでに起訴していたからだ。

 検察は、パターソン被告が起訴されているため、追加捜査をせず起訴当時の捜査検事を裁判に参加させる案を検討している。ソウル中央地検の関係者は、「国民の関心が大きいこともあり、公訴を維持するためにあらゆる方法を検討している」と述べた。パターソン被告は、ソウル中央地裁刑事27部(裁判長シム・ギュホン)で裁判を受ける。

 米軍捜査隊は事件直後「パターソンが人を殺した」という情報提供を受けて、米軍軍務員の息子である彼を検挙した。しかし、事件を引き継いだ検察は、パターソン氏の代わりに、当時のハンバーガー店で一緒にいた彼の友人であるエドワード・リー氏(36)を疑った。解剖医が「被害者があまり抵抗せずに死亡したことから、加害者は体が大きく、強力な力を持った人」であり、「傷の一部が上から下方向に向かっていることから、加害者の身長が被害者よりも高いと思われる」という所見を示したためだ。韓国系米国人であるリー氏は、身長が180センチメートルで、体重が105キログラムの巨体だった。一方、パターソン被告は172センチメートルに60キログラムだった。当時トイレに立ち寄っており、服に血が付着していた2人中の1人が凶器を振り回したのは明らかだったが、互いに責任を転嫁する状況で、検察はリー氏が犯人だと判断した。リー氏は、ソウル高裁で懲役20年を宣告された。

 しかし、大法院(最高裁)は、1998年に「パターソンの陳述の信憑性が疑わしいため、リーの単独犯行と断定するのは難しい」として、事件を破棄して差し戻し、翌年に無罪が確定した。検察は再捜査に乗り出したが、証拠隠滅と凶器所持罪で、長期1年6カ月、短期1年の刑を宣告された後、8カ月ぶりに刑執行停止で釈放されたパターソン被告は1999年8月、検察が出国禁止を延長せずに油断した隙に、米国に逃亡した。

 法務部は2009年10月、パターソン被告の所在が把握されたことを受け、米国に犯罪人の引渡しを請求した。彼は2011年5月に逮捕され、犯罪人引渡し裁判にかけられて、翌年10月に米国の裁判所が引渡しを許可した。パターソン被告は送還を回避しようと、地元の裁判所に人身保護請願を出したが、最近の控訴審で請願と再審申請が棄却され、韓国送還が決定された。

チョン・ファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-22 20:15

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/709979.html 訳H.J

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