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北朝鮮の核兵器原料生産能力は毎年3、4個作れるレベル

登録:2015-09-15 22:01 修正:2015-09-16 06:43
 北朝鮮、2013年に「寧辺核施設の再稼働」を発表
 寧辺以外の場所にウラン設備ある可能性も
 専門家ら 「ウラン核兵器7〜10個保有」と推定
2013年2月12日午後、ソウル駅の待合室で、核実験について正式に確認する北朝鮮の報道を市民たちが視聴している=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 平安北道寧辺(ヨンビョン)郡の「寧辺核施設」は、核兵器を生産するために必要なプルトニウムとウランを抽出できる施設を備えた核開発団地だ。

 寧辺核施設の中核施設である寧辺5メガワット原子炉は、その名の通り5メガワットの電気出力を出す発電機であると同時に試験原子炉だ。1987年12月に稼動を始めたこの原子炉は、廃燃料棒から核兵器の製造に使われるプルトニウムを抽出しているが、毎年核兵器1個分のプルトニウム(6キログラム)を抽出できることが知られている。

 寧辺核施設は、2005年の6カ国協議の9・19共同声明と2007年の2・13合意、10・3不能化合意などにより、少なくとも1年以上原状回復ができないように、主要施設の核心部品が除去された。2008年6月には原子炉施設の象徴である冷却塔を爆破した。しかし、2009年の北朝鮮の長距離ロケット発射と、それに対する国連安全保障理事会の制裁などをめぐる軋轢の末、北朝鮮は「再処理の再開」を宣言し、同年8月末から廃燃料棒約8000個の再処理(プルトニウム抽出)を完了したと発表した。

 北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記就任後の2013年2月、3回目の核実験をした後、3月31日の労働党中央委全体会議で「経済建設と核武力建設並進路線」を採択した。続いて2013年4月2日、「現存の核施設の用途を並進路線に合わせて調節して変更していくことにした」とし、寧辺の核施設を再整備して再稼働する措置を発表した。

 もし2013年4月から、北朝鮮が寧辺の原子炉を修復する作業を経て、6〜12カ月以内に再起動した場合は、現在までに核兵器1〜2個を作れるプルトニウムを追加で抽出したことになる。

 より大きな問題は、ウラン濃縮核兵器だ。北朝鮮は 2010年11月、米国の専門家に寧辺の核施設にあるウラン遠心分離機2000基を公開した。これは、年間2個ほどの核兵器用高濃縮ウランを生産できる施設であると伝えられた。精巧な起爆装置を必要としており、核実験を行わなければならないプルトニウム核兵器とは違って、ウランは核実験をしなくても武器化が可能だ。北朝鮮が寧辺以外にも、外部に公開していないウラン濃縮設備を運用している可能性が少なくないと専門家は見ている。イ・チュングン科学技術政策研究院先任研究委員は、「学界では、北朝鮮が7〜10個のウラン核兵器を保有していると推定している」と述べた。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-15 20:07

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/709000.html  訳H.J

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