登録 : 2015.09.07 00:24 修正 : 2015.09.07 07:45

 朴大統領の統一外交が論議に
 “急変事態”可能性を考慮した様子
 北朝鮮の反発で統一議論が困難になる可能性も
 米中など周辺国の協力得られるかも未知数
 専門家たち「実効性に疑問」

2泊3日間の中国訪問を終え、3日夜、ソウル空港に帰国した朴槿恵大統領が空軍1号機から降りている=城南/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
 朴槿恵(パク・クネ)大統領の“統一外交”に関する発言で、韓国外交の座標をめぐる議論が再燃している。朴大統領は、中国の軍事パレードへの出席を通じて、超大国の間で新バランス外交の可能性を披露したという評価を受けた。しかし、その直後、韓国外交の直接的な目標として「統一」を提示するなど、外交的なバランス感覚における異常な兆候を露呈させた。「北朝鮮の急変事態」などに対する過度な期待で冷静な座標認識に失敗し、韓国外交の“漂流”の可能性と共に南北関係の不安定性を高めたという指摘もされる。

 朴大統領は4日、訪中から帰国する機内で行った記者懇談会で、「北朝鮮の核問題などをすべて解決するための究極で確実な、そして最も速い方法は、平和統一」だとし、「朝鮮半島の平和統一のために、中国と共に協力していくことにした」と述べた。また、「可能な限り早急に、朝鮮半島の平和統一をいかに実現して行くのかについて、様々な(外交)議論を始める」と明らかにした。朴大統領は続いて「周辺国、ひいては世界も暗黙的に、これは良いことだと同意してくれることがとても重要だ」とし「今後、外交力を発揮して、平和統一にどのような意味があるのか、世界の平和と安定にとって何が良いのかを繰り返し説明することで、同意してもらうように努めていきたい」と強調した。

 複雑に絡み合った朝鮮半島問題を統一で一気に解決できるという認識と、そのために中国を含む周辺国と早急に統一議論を行っていくという構想を明らかにしたものだ。専門家からは、このような構想が現実味を欠いた空虚なものであるうえ、危険なアプローチだと指摘する。

 まず、統一議論の対象から北朝鮮を外して周辺国との外交だけを強調したことについて、突拍子もなく、実効性もないという声が上がっている。平和統一において最も重要なのは、南北関係の改善と対話を通じた統一の合意なのに、そのための方法論が省略された“統一外交”は、初めから成り立たないという指摘だ。

 チョン・ソンジャン世宗研究所統一戦略研究室長は6日、「統一のために、関係国との対話も重要だが、何よりも重要なのは南北当局間の直接対話」だとし、「南北が『低い段階の連合』に達するどころか、まだ敵対的な状態から抜け出せずにいる状況で、統一に対する周辺国の支持を求めることについて、果たして周辺国にどのぐらい共感してもらえるかが疑問だ」と述べた。チョン・セヒョン元統一部長官は、「統一外交は南北間の協力が深まって統一に近づいたら、統一の遠心力として作用する可能性がある国々を一つずつ取り除いていくこと」だとし、「そのような手順で進めなければならないのに、南北間で協議すべきことをなぜ中国と協議しようとするのか理解できない」と批判した。

 中国などが、このような統一外交に協力する可能性もほとんどないと専門家たちは見ている。習近平・中国国家主席は今回の韓中首脳会談で朴大統領が「早急な統一」を提起したことに対し、「南北間の自主的かつ平和的な平和統一を支持する」として、中国の従来の主張を繰り返した。匿名を要求したある元高位外交当局者は、「自主的というのは、米国を除いて、南北同士で統一せよという話なのに、今、朴大統領が中国と統一を議論するというのは、中国が望む自主的な統一を協議するということなのか、わけがわからない」と述べた。ソウル大学統一平和研究院のチャン・ヨンソク上席研究員は、「中国は、米中関係や韓米日間の三角協力の可能性などについて全般的な考慮から、韓国と話が食い違っているにもかかわらず、『中国が統一議論に応じてきた』という韓国の解釈について正式に問題を提起しないだけだ」と述べた。

 朴大統領が“南北関係”が省略された“統一外交”を強調するのは、結局「北朝鮮の急変事態」を前提とした吸収統一を念頭に置いているからだという指摘もある。ゴ・ユファン東国大学教授は「韓中首脳会談で統一と関連した朴大統領が発言は『早急に』という部分に重点が置かれていた」とし「以前、金大中(キム・デユン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権では、平和的、漸進的という言葉が使われていたが、『早急に』と言及したのは、北朝鮮の不安定性などの他の可能性を反映した認識だ」と述べた。このような認識に基づいた統一外交の提示は「『吸収統一論』にアレルギー反応を見せてきた北朝鮮の反発を買って、南北関係の改善と朝鮮半島情勢の管理に悪影響を及ぼす可能性がある」(キム・ヨンヒョン東国大学教授)と懸念されている。チャン・ヨンソク先任研究員は、「北朝鮮が韓国側の真義を問題視して、苦労してたどり着いた8・25南北合意が霧散するかもしれない危険な発言」と述べた。

 ようやく実現した南北対話、厳しい選択だったはずの「軍事パレードへの出席」の意味を共に生かすためには、これからでも韓国外交の座標を迅速に調整する必要があるものと見られる。コリア研究院のキム・チャンス院長は「可能性が極めて低い『北朝鮮の急変事態』と統一準備論にこだわるのではなく、南北間の合意事項に基づき、南北関係の改善に乗り出すべきだ」とし「周辺国の外交も、そのための基盤を作ることに重点を置かなければならない」と述べた。元高位外交当局者は、「統一外交発言の背景には、国内の保守層に『統一問題も、私たち(韓国)が望む通り、中国と議論してきた。それほど、外交でも、私たちが優位に立っている』というメッセージを送ろうとする意図がある」とし「統一と外交を国内政治に利用しようとする考えから離れるのが急務だ」と述べた。

ソン・ウォンジェ、キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-09-06 19:40

http://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/707655.html 訳H.J

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