本文に移動

北朝鮮、軍事境界線近くに砲撃...韓国軍も数十発で応戦

登録:2015-08-21 00:42 修正:2015-08-22 06:11
 北朝鮮が15時53分と16時12分の2回砲撃...韓国は最高警戒態勢
 北朝鮮軍「48時間以内に対北放送中断しなければ、軍事行動」
 キム・ヤンゴン統一戦線部長はキム・クァンジン安保室長宛てに書簡「関係改善の意思ある」
北朝鮮軍がロケット砲と推定さる砲弾を京畿道漣川郡中面地域に発射し、韓国軍が対応砲撃をした20日午後、中面事務所の近くで兵士たちが移動している=漣川/連合ニュース

 南北双方が20日、京畿道漣川(ヨンチョン)の西部戦線で砲射撃をした。北朝鮮が南側に向けて2回にわたり砲撃し、韓国軍も数十発もの対応射撃を行った。北朝鮮はこの日、電文を送って48時間以内に対北拡声器放送を中断・撤去しなければ、軍事行動に出ると威嚇した。

 国防部はこの日、「午後3時53分頃、北朝鮮軍が撃った14.5ミリメートル高射砲1発が京畿漣川郡中面地域の野山に落ち、19分後の4時12分に再び76.2ミリメートル直射砲で非武装地帯内側の軍事分界線の南700メートル地点に数発を撃った」とし、「これにわが軍も5時04分頃、非武装地帯内側の軍事分界線から北に500メートル地点に155ミリメートルの自走砲で数十発の対応射撃を行った」と発表した。韓国側の人命と財産被害はなく、北朝鮮側も韓国軍の対応射撃に追加の反応を示さなかった。

北朝鮮軍、西部戦線の南側に砲撃 //ハンギョレ新聞社

 続いて北朝鮮側は同日、キム・クァンジン大統領府国家安全保障室長宛てにキム・ヤンゴン北朝鮮労働党対南秘書名義の書簡を送り、対北拡声器放送の中断と撤去を要求するとともに、「現在の事態を収拾して関係改善の突破口を開くために努力する意思がある」ことを明らかにした。また、国防部宛てに総参謀部名義の電文を送り、「今日(20日)午後5時から48時間以内に対北心理戦放送を中止し、すべての手段を前面撤去せよ」とし、「これを履行しなければ、軍事行動を開始する」と威嚇したと国防部が発表した。統一部は、キム・ヤンゴン名義の書簡が送られて来たことについて、「最近、北朝鮮の地雷挑発による状況悪化という問題の本質を糊塗するためのものと判断される」とし「政府は、北朝鮮の砲撃など間違った行動に断固として対処していくという原則に基づいて、強力に措置していくつもりだ」と述べた。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は同日、南北間の砲射撃が発生したことを受け、緊急国家安全保障会議(NSC)常任委員会を招集した。ミン・ギョンウク大統領府報道官は、「朴大統領が午後6時から40分間、国家安全保障会議常任委員会を直接主宰した」とし「北朝鮮の挑発に対しては断固対応して、わが軍は万全の態勢を維持するとともに、住民の安全と保護にも万全を期するように指示した」と述べた。

 軍当局は、全軍に最高レベルの警戒態勢を指示しており、該当地域に駐留する6軍団は局地戦対応のための最高警戒態勢である「珍島犬1」を発令した。また、接境地域の京畿道の漣川、坡州(パジュ)、金浦(キムポ)と仁川(インチョン)江華地域住民約2000人に、避難命令が下された。

 この日、北朝鮮の砲弾が落ちた地域は、陸軍28師団が駐屯する地域で、北朝鮮軍は昨年10月にも、この地域で民間団体が対北ビラ風船を飛ばしたことに抗議し、高射銃約10発を発射した。軍当局者はこの日、軍の対応射撃が北朝鮮の最初の砲撃から1時間12分後に行われたことについて、「最初の砲撃があってから、これを確認しているうちに、第2の砲撃が行われ、再び落弾位置などを確認するのに時間がかかった」と述べた。

 この日の北朝鮮の砲射撃は対北朝鮮拡声器放送の再開への不満によるものと分析される。しかし、この日、北朝鮮砲弾の落下推定地域は対北拡声器放送設備から遠く離れたところであることが分かった。軍当局者は「北朝鮮が最初は1発だけ撃っており、2回目は非武装地帯に砲撃したことから、実際の打撃よりは警告用、威嚇のためのものと見られる」と述べた。

 南北間には、非武装地帯における地雷爆発事件以来、軍事的緊張が高まってきた。韓国側は10日、報復措置として対北拡声器放送を再開しており、北朝鮮側は15日、電線司令部の公開警告状を通じて「心理戦再開手段を跡形もなく照準撃破する」と脅した。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-20 21:57

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/705390.html  訳H.J

関連記事