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韓明淑元首相に懲役2年…元首相で初の実刑

登録:2015-08-20 21:56 修正:2015-08-21 07:39
 最高裁、9400万円の不法政治資金の授受に有罪を宣告
 韓明淑議員「政治弾圧の鎖に縛られた」
不法政治資金授受容疑で懲役2年の実刑が大法院で確定した韓明淑・新政治民主連合議員(右)が20日午後、国会で立場を明らかにした後、文在寅代表(左)ら党役員の見送りを受け車両に乗り込もうとしている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 巨額の不法政治資金を受け取った容疑で、5年前に裁判にかけられた韓明淑(ハン・ミョンスク)新政治民主連合議員(71・元首相)に、懲役2年の実刑が確定した。韓議員は、元首相としては初めて金品不正が確認され、拘束収監される不名誉を得ることになった。

 大法院(最高裁判所)全員合議体(主審イ・サンフン大法官)は20日、ハン・マンホ元ハンシン建栄代表から9億ウォン(9400万円)の不法資金を受け取った疑い(政治資金法の政治資金不正授受)で起訴された韓議員の上告を、大法官(最高裁判事)の8(上告棄却)対5(破棄差し戻し)の意見で棄却した。韓議員は懲役2年に追徴金8億8000万ウォン(9200万円)が確定して、議員職を失った。検察は、刑の執行のために、21日にソウル中央地検またはソウル拘置所に出席するように韓議員に通知した。一緒に起訴された韓議員の秘書キム・ムンスク氏(55)は、懲役1年に執行猶予2年、追徴金1億3453万ウォン(1400万円)が確定した。

 韓議員は、民主統合党の大統領候補予備選挙を控えていた2007年3月から8月まで、ハン元代表から3回にわたって現金と小切手、ドルを3億ウォン(3100万円)ずつ、合わせて9億ウォンを受け取った容疑で、2010年7月起訴された。検察による調査の際にはハン議員にお金を渡したとしていたハン元代表が、法廷で9億ウォンを他のことに使ったと陳述を覆して、1審では無罪が宣告された。しかし、控訴審では、ハン元代表側が発行した1億ウォンの小切手を韓議員の実妹が傳貰(チョンセ=韓国特有の家賃保障金制)資金として使った点や、ハン議員がハン元代表に2億ウォンを返した点などを根拠に、有罪の判断とともに懲役2年が宣告された。

 最初に渡された1億ウォンの小切手など3億ウォンについては、大法官13人全員が有罪と判断した。 2回目と3回目に渡されたとされる6億ウォンに対し、裁判官の多くは、「関係者たちの陳述と裏金帳簿などの記載に照らし合わせると、ハン元代表の検察での陳述に信憑性がある」とし、有罪と判断した。一方、イ ・インボク、イ・サンフン、キム・ヨンドク、パク・ポヨン、キム・ソヨン大法官は、「お金を渡していない」とした法廷での証言が、「渡した」という検察での供述よりも優位にあるとし、無罪と判断した。

 ハン議員は、報道資料を通じて「政治弾圧の鎖に縛られた罪人となった」と潔白を主張した。法廷に直接駆けつけた文在寅(ムン・ジェイン)新政治民主連合代表は宣告直後、「司法部に対する期待が崩れてしまい、惨憺たる心情だ」と述べた。

ノ・ヒョンウン、チョン・ファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-20 19:40

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/705294.html  訳H.J

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