彭木港を訪ねた行方不明者家族
「子供が戻ってこれるか…とても辛い」
セウォル号引き揚げの作業が沈没から490日たって始まった。
19日午後3時、全羅南道珍島(チンド)郡鳥島(チョド)面の東巨次(ドンコチャ)島の南3キロの海上。中国の上海サルベージ所属1万1000トン級のバージ船「大力号」の甲板で潜水用ケージが10メートルほど海中に降ろされた。ヘルメットにカメラをもつ潜水士が波で揺れる海の中に降りて行った。彼の目の前に広がる濁った海水と「シュー、シュー」という荒い息が甲板のモニターに生々しく伝わってきた。
中国の潜水士リ・フンジェン氏(36)は「海水の流れが激しく視野が曇る。潜水環境は良くはないが任務を必ず遂行する」と話した。
大力号は沈没したセウォル号船首部分の海上(北緯34度12分43秒、東経127度57分25秒)に停泊している。長さ100メートル、幅38メートル、高さ9メートルのバージ船は、来年6月まで引き揚げ現場で本部の役割を果たすことになる。派遣された人員は139人になり、このうち32人が水中作業をする潜水士だ。彼らはバージ船の上に用意された4階建て規模の建造物で宿泊する。
大力号を訪れたユ・ギジュン海洋水産部長官は上海サルベージ社員に「行方不明者家族のもとへ送り戻すことに国民と政府が大きな関心を持っている。引き揚げ過程で流失がないよう注意し、安全に留意してほしい」と頼んだ。
行方不明者家族は「完全に船体を引き揚げ一日も早く子供たちを家族のもとに戻してほしい」と訴えた。この日、珍島・彭木(ペンモク)港を訪ねた檀園(タンウォン)高生チョ・ウンファさんの母イ・クムヒさんは「『助けてください』でなく『取り出してください』と訴える心境を察してほしい。今だに船に閉じ込められて上がってこれないでいるし、今後見つかると自信を持つこともできない状況なので、毎日が非常に辛い」と目がしらを赤らめた。檀園高生ホ・ダユンさんの母パク・ウンミさんは「(作業が終わる)来年6月までどう待ったらいいのか分からない。一日も早く帰ってきて、みんなと一緒に卒業式ができたらと思う」と話した。
韓国語原文入力:2015-08-19 22:34