生きている炭疽菌送付問題で
「原因糾明まで実験中断」
サンプルなく合同実務団の確認に限界
「今までされたすべての実験を調査し
SOFA改正して検疫主権確保すべき」
市民社会対策会議を要求
炭疽菌サンプルが烏山(オサン)米空軍基地に配達された事件と関連して、在韓米軍が当分、炭疽菌実験を中断すると政府に通知したことが分かった。しかし実験の暫定中断といった短期対応では事態再発の可能性は消えず、検疫主権を保障する方向で韓米駐屯軍地位協定(SOFA)を改正するなど、より根本的な制度的改善策を準備すべきだと指摘される。
政府消息筋は15日、ハンギョレに「最近米国側が炭疽菌が死なないまま配送された原因が糾明され再発防止策が準備されるまで、炭疽菌を配送した実験を中断する予定だと政府に説明した」として「今週末か来週くらいに米本土で公式発表される調査結果に含まれるだろう」と説明した。米軍が韓国内で進めてきた「ジュピタープログラム(JUPITR=連合在韓米軍ポータルおよび統合脅威認識)」も中断される見込みだ。米陸軍化学兵器合同管理局は、世界の米軍化学兵器戦略の一部門であり、北朝鮮の生物化学兵器の脅威に対する対応次元で在韓米軍を通じてこのプログラムを進めてきた。
在韓米軍は炭疽菌配送以前の措置である「不活化」過程で、予想できなかった“突然変異”が起きた可能性に注目していることが分かった。同消息筋は「炭疽菌を配送する際には、放射線処理を通じて不活化させるのが一般的だが、4月に配送された炭疽菌は放射線処理を経ていたのに一部が生きていたというのが在韓米軍の説明」と指摘し、「米側は炭疽菌に放射線処理で耐性ができた可能性を疑っている」と付け加えた。米側は放射線処理後に生き残った炭疽菌胞子が1億個あたり300~400個程度と見ていると伝えられた。
しかし烏山基地に配送された炭疽菌サンプルが実際に生きていたのかは確認が不可能な状況だ。在韓米軍が「米国防総省が廃棄措置を下すと、活性化の有無を確認せず直ちに廃棄した」と明らかにしているためだ。 11日に発足した韓米合同実務団が在韓米軍の説明を検証する予定だが、基礎的事実関係の確認から限界に至ったわけだ。
15日に外交部で開かれたSOFA合同委員会では、炭疽菌事件が正式案件として上程されたが、SOFA改正などを具体的な議論にまでは踏み込まなかったと伝えられる。米側委員長のテレンス・オショーナシー在韓米軍副司令官は、事実関係把握と再発防止策準備のための持続的な協力を約束したものの、遺憾表明はしていない。政府当局者は「調査結果を見た後、米側も我々も(SOFA運営改善など)すべてのオプションを検討することになるだろう」と述べた。
炭疽菌不法搬入・実験糾弾市民社会対策会議はこの日、外交部前で記者会見を行い「政府は5月末に明らかになった炭疽菌配達事故に限定して調査するという。だが2013年からジュピタープログラムの実験がされてきたのが確認された以上、在韓米軍が今まで進めてきた炭疽菌搬入と実験全般に拡大しなければならない」と要求した。
韓国語原文入力:2015-07-16 02:40