本文に移動

【社説】「血盟関係」回復した朝中、さらに切実になった韓中の意思疎通

登録:2025-09-06 07:03 修正:2025-09-06 09:28
北朝鮮の金正恩国務委員長と中国の習近平国家主席が4日、中国・北京の人民大会堂で会って握手している/ロイター・聯合ニュース

 今月4日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と中国の習近平国家主席が6年2カ月ぶりに首脳会談を行った。朝ロ関係の急進展でしばらく疎遠だった両国は、この日の会談を通じて「唇亡歯寒」(互いに深い関係で繋がっていて、一方が滅びるともう一方も危険な状態になること)と呼ばれる伝統的友好関係を回復し、「国際および地域問題で戦略的協力を強化」していくことで一致した。北朝鮮が最大の貿易相手である中国と関係を回復したことで、北朝鮮の核開発を抑制してきたグローバル「協力体制」が決定的に危うくなるのではないかという懸念が高まっている。韓国は中国との絶え間ない戦略的意思疎通を通じて、朝鮮半島に降りかかりうる恐ろしい破局だけは防がなければならない。

 朝中首脳は同日午後、北京の人民大会堂で膝を突き合わせた。会談後、両国それぞれの発表文によると、金委員長は「国際情勢がどう変わろうと、朝中間の親善の感情は変わることはない」とし、「今後、国家主権、領土の完全性、発展利益を守護するための中国共産党と中国政府の立場と努力」を支持し、声援を送ると述べた。習主席も「朝鮮が自分の実情に合う発展の道」を歩むことを支持すると呼応した。

 大きな関心が集まった「北朝鮮核問題」について、どんな意見交換が行われたかは明確に確認されていない。ただし、北朝鮮側の発表文には、両国首脳が「対外関係分野で両国の党と政府が堅持している『自主政策的立場』に対して互いに通知した」という文言が含まれている。核の保有を既成事実化しようとする金委員長の「自主政策的立場」に対し、習主席が明確な言及を避けたものと推定できる。これに比べ、中国側の発表文には「朝鮮半島問題と関連し、中国は一貫して客観的で公正な立場を堅持している」という一節が登場する。「北朝鮮の核」という高度な戦略的問題をめぐる両国間の微妙な温度差が感じられる。

 北朝鮮が6回目の核実験と米本土を打撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」型の発射実験を強行した2017年までは、核開発に対抗する堅固な国際連帯が維持されていた。中ロを含む国連安全保障理事会は同年末、北朝鮮に対する過酷な経済制裁を二度も決議した。 ところが、ウクライナとの戦争のため北朝鮮の派兵を受け入れたロシアは、昨年から北朝鮮の核を容認する態度を示しており、金委員長との対話再開を望むドナルド・トランプ米大統領も北朝鮮に対して「核保有国」(nuclear power)という表現を躊躇なく使っている。

 韓国にとって中国は、経済だけでなく安全保障においても深い意思疎通を続けていくべき重要な隣国だ。中国と携えた手を離した瞬間、朝鮮半島に「本当の危機」が迫るかもしれない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1217213.html韓国語原文入力: 2025-09-05 17:08
訳H.J

関連記事