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408日間の「高空籠城」を終え地上に降りた労働者に逮捕状

登録:2015-07-08 22:35 修正:2015-07-09 09:08
 最長期煙突籠城終えたが
 警察、逮捕状の執行にこだわる
 労働者たち「気をつけて降りて
 仲間に合えるようにしてほしい」と訴え
昨年5月に慶北漆谷郡にあるスターケミカル工場の煙突に上って、最も長い「高空籠城」を続けてきたチャ・グァンホ氏が8日午後、煙突から手を振っている。警察が逮捕令状を執行すると主張し、チャ氏は午後5時まで地面を踏めなかった=漆谷/イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 408日間の煙突座り込みを終えたスターケミカル解雇者のチャ・グァンホ氏(45)を待っていたのは、警察の逮捕令状だった。苦しい闘争を続けてきた仲間を温く迎える時間を求める労働者側と、逮捕令状を執行しようとするという警察が対立し、チャ氏は予定された時間に地上に降りれなかった。

 8日午後2時、慶尚北道漆谷(チルゴク)郡石積(ソクジョク)面中理にあるスターケミカル工場正門前の駐車場に、労働者など約600人が集まった。中にはチャ氏のような解雇労働者10人もいた。霧雨が降りしきる中、全員が灰色と水色の雨具を着たままその場を守った。この日の午後2時、昨年5月27日スターケミカル工場の煙突(高さ45メートル)に上り、復職などを要求して高空籠城を続けてきたチャ氏が、降りて来ることになっていた。チャ氏が煙突に上ってから408日ぶりのことだ。国内はもちろん、海外でも、これ以上長く高空籠城を行った労働者はいなかった。人々はこれを「悲しい新記録」と呼んだ。

 スターケミカルの解雇者のホン・ギタク氏(42)は、「チャ・グァンホ同志が健康に地面を踏めるようになったのが、なによりもうれしい。11人の仲間たちが一緒に支えて戦ってきたので、良い結果があったと思う」と話した。人権運動連帯の常任活動家のソ・チャンホ氏(42)は「雇用を保障してもらうために、このように1年以上も労働者が闘争しなければならない現実が悲しい」と述べた。

 しかし、チャ氏は午後2時を過ぎても煙突から降りられなかった。彼を待っていた労働者たちは、チャ氏が降りて来てから挨拶でも交わす時間がほしいと訴えたが、警察はこれを拒否した。また、労働者たちはチャ氏を救急車で病院に運んで、健康状態を確認する必要があると主張したが、警察は、チャ氏に逮捕令状が発行されただけに、警察の護送車で病院まで移送すると対抗した。チャ氏には業務妨害と建造物侵入の疑いで逮捕令状が発行されている。

 ユン・ジョンソン全国金属労働組合組織室長は「チャ・グァンホ同志が安全に降りてきて仲間たちに会えるようにしてほしい」と話した。

 スターケミカルの解雇者たちは、もともと旧韓国合繊で働いていた。会社が倒産し、2010年に工場を買収したスターケミカルが昨年初め廃業と売却手続きに入った。チャ氏などの労働者たちはこれに抗議し、闘争を繰り広げてきた。今月6日、スターケミカル親会社のスターフレックスとスターケミカル解雇者復職闘争委員会は解雇者の雇用をすべて保証することに合意した。これまでの双方が交わした訴訟と告訴・告発も取り下げることにした。

漆谷/キム・イルウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-08 19:47

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/699468.html  訳H.J

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