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陰性反応後に死亡した父親からMERS感染? チュニジアの事例と酷似

登録:2015-06-25 08:34 修正:2015-06-25 11:53
 当局「感染経路が曖昧で疫学調査」
 チュニジアでも追加検査で陽性反応
 178番目の患者も父親から感染の疑い
 平沢住民の間で再拡散憂慮高まる
韓国とチュニジアで発生したMERS家族感染の比較//ハンギョレ新聞社

事例1:チュニジアに住む父がカタールとサウジアラビアを訪ねた後に高熱と肺炎で病院に入院。中東呼吸器症候群(MERS)コロナウィルスの遺伝子検査を受けたが陰性反応が出た。翌日、父親が死亡。葬儀3日後に息子にMERSの症状が現れ、結局、陽性反応が出た。

事例2:平沢(ピョンテク)聖母病院に入院した父親は同病院がMERSの震源地になるとすぐ平沢博愛病院に移された。肝臓癌を病んでいた父親は数日後死亡する。前日のMERS検査では陰性反応を受けていた。10日後、息子に高熱などMERSの症状が現れる。1週間後、検査で息子に陽性反応が出た。

 保健福祉部中央MERS管理対策本部(対策本部)は24日、「平沢聖母病院と平沢博愛病院で患者を看護した家族(178番目の患者)が陽性反応を示したが感染経路が曖昧で疫学調査を行っている」と明らかにした。

 178番目の患者K氏(29)の父(62)は、5月18~29日に平沢聖母病院に入院していて、MERSで病院が閉鎖されると平沢博愛病院に移り、6日まで入院した。K氏が平沢聖母病院で1番目の患者から感染した可能性は事実上ない。発熱が始まった16日は潜伏期(14日)がすでに過ぎていたためだ。K氏が平沢博愛病院で感染した可能性も希薄だ。同病院の救急室には5月31日に119番目の患者(平沢警察署警察官)と52番目の患者が訪問したが、病室とは距離があり、それまでこの病院では感染者が1人も出ていなかった。残る可能性は父親からMERSが感染した家族間感染だ。しかし父親が6日に死亡する前に受けたMERS1次検査結果は陰性だった。

 これと類似した国外の事例がある。ハンギョレが米国疾病管理予防センター(CDC)に報告された「MERS発病事例」を確認したところ、チュニジアで類似した家族間感染の事例が存在した。

 報告書によると、2013年にチュニジア男性(66)がカタールにいる娘(30)に会ってから帰国後、高熱に苦しみ病院に入院して5日後に死亡した。死亡する前日のMERS遺伝子検査では陰性反応が出ていた。この男性を看護した息子(34)は葬儀3日後から高熱などMERS症状が出だし、陽性反応を出した。息子は外国に行ったことがなく、チュニジアでのMERS感染も初めてなので、息子は父親から感染した可能性しかなかった。このためチュニジア保健当局が米疾病管理予防センターに父親の血清を送って遺伝子検査をすると、MERS陽性反応が出てきた。国内でも1次検査の時に陰性反応を出していながら追加検査で陽性となった事例がある。こうした事情を総合するとK氏が父親から伝染した可能性がかなり高くなる。

 建設労働者のK氏は父親が陰性反応を出すと直ちに隔離対象者から外されていた。K氏は症状が現れた後も5日間、平沢博愛病院などを訪ね日常生活をしていたことが分かった。平沢地域で患者が発生するのは17日以降1週間ぶりで、住民の間でMERS再拡散の憂慮が高まっている。

イ・グンヨン先任記者、平沢/ホン・ヨンドク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-24 22:20

https://www.hani.co.kr/arti/society/health/697373.html 訳Y.B

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