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韓国当局、「最初のMERS患者」報告後も対処せず

登録:2015-06-02 00:37 修正:2015-06-02 16:46
国家防疫体系に総体的な穴
ソウル・鍾路区のソウル大病院応急医療センター前に31日午後、MERS感染の患者隔離センターが設置されている=イ・ジョンア記者//ハンギョレ新聞社

 政府の中東呼吸器症候群(MERS)初期対応が安易だっただけでなく、全体的な国家防疫体系に穴が開いていることが、次から次へと現れている。疾病管理本部(管理本部)が最初の患者を確定する過程で、患者が滞在していたバーレーンがMERS発生国ではないという理由で、すぐに対処せず、接触者の追跡が1日以上遅れた。また、最初の患者が発生した病院が中小病院であり、感染管理が十分ではなかった側面もあるが、対処を該当病院に任せっきりだったことで、MERSの拡散を放置したという指摘もされる。

MERS感染と診断および治療過程 //ハンギョレ新聞社

 最初の患者が滞在していたバーレーン
 発生国ではないという理由で無視
 30時間無駄にした後、確定

 国家指定の隔離病床が足りず
 結核患者に退院促す場面っも

■遅れてMERS危険地域をバーレーンなど中東全体に拡大

 最初の患者K氏は先月11日、咳・発熱などMERSの症状を見せてから確定するまで、4つの病院・医院を訪れた。K氏が入院した2番目の病院だけで、今までに17人のMERS患者が発生した。病院側は、K氏がバーレーンを訪問し、咳・発熱などの症状が出ていることを対策本部に報告し、MERS感染有無の確認を要請したが、対策本部はバーレーンがMERS発生国ではないとの理由で、これを受け入れなかった。最終的には他の呼吸器疾患の可能性を調べる検査を行うのに30時間以上かかり、19日午後になってようやく対策本部が患者の検体を調査し、20日の朝、感染が確認された。K氏の接触者を特定するのに、1日以上遅れたのだ。米国は中東地域全体をMERS危険地域に分類しているのに対し、韓国はサウジアラビアなどの特定の国だけを指定したことで、今回のような事態をもたらした。中央MERS管理対策本部の関係者は1日、「基準が厳しすぎており、柔軟性を欠いていた」と認めた。保健当局は、一歩遅れて防疫対象を中東地域全体に拡大すると発表した。

 キム・ウジュMERS官民合同対策班共同委員長は、K氏が入院した病院でMERS患者が集中発生した理由について、「この病院は大学病院の規模ではない中小病院だから、感染管理が行き届いていなかったと思われる」と答えた。該当病院の不十分な感染管理のせいで、MERS患者が増えたことを否定できないという趣旨だ。

■隔離病床足りず、結核患者に病床明け渡しを求める場面も

 急増したMERS隔離者に対する管理が可能なのかも疑問だ。中央MERS管理対策本部は同日、682人のうち、持病があり、MERSに感染すると高危険群になる可能性がある約240人の患者については、隔離病床がある病院や施設に隔離する方針だ。しかし、全国保健医療産業労働組合(保健医療労組)の調査結果によると、エボラやMERSなど感染症の事態に備える陰圧施設(病室内の気圧が外部より低く、外部に空気が漏れるのを防止する施設)を備えた国家指定の分離病床は105床に過ぎない。それさえも18床はすでに確定患者の治療に使われている。このため、保健当局は、結核患者が使用している隔離病床を明け渡してほしいと求めていると伝えられた。ソウル市所属医療院のある病院関係者は、「結核患者病状が220床なのに保健当局が40〜50床程度の病状が必要だとして症状が軽い患者から退院させている」と述べた。保健医療労組は「隔離施設が適切に備えられていない施設や病院に隔離対象者を置いておくと、再び大規模なMERS感染が発生し兼ねない。隔離施設を十分備えられるように国家防疫体系を根本的に改善しなければならない」と指摘した。

■隔離対象狭く、最初の患者と接触した患者は他の病院も受診

 最初の患者と15日から17日まで同じ病棟に入院し、MERSに感染した6番目の患者は、この病院を退院してからすぐに2カ所の総合病院の緊急治療室を訪れた。14番目の患者も同様に、同じ期間入院しているが、退院後、他の医療機関を2カ所も訪れた。保健当局が最初の患者のMERS感染が確定された時、分離対象を同じ病室の患者に限定したため、同じ病棟の患者は隔離治療を受けずに別の病院に転院できたのである。結局4カ所の医療機関の医療スタッフも隔離対象となった。クォン・ジュンウク中央MERS管理対策本部企画総括班長は「確定患者を疫学調査する過程で、患者が他の医療機関を訪れた事実を把握した。密接接触の可能性があるこれらはすべて隔離の対象に指定した。 682人には、このような人たちも含まれている」と述べた。

キム・ヤンジュン医療専門記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: :2015-06-01 20:15

https://www.hani.co.kr/arti/society/health/693773.html  訳H.J

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