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原発を“すり替え”来月から密陽送電線の商業運転…

登録:2015-05-30 01:36 修正:2015-05-30 07:20
 新古里3号機を口実に
 送電塔建設を強行しておきながら
 竣工遅延事態になると
 1・2号機の電力を引いて供給
反核釜山市民対策委員会など市民社会団体に所属する活動家たちが28日午前、釜山市釜山鎮区宋象賢広場で古里原発1号機の廃炉を要求しパフォーマンスを行なっている=釜山/ニューシス

対策委「電磁波・騒音など住民被害を調査し戦う」

 「電気は涙に乗って流れる」という言葉を生み出すほどに大きな犠牲を払って建設された「765kV新古里~北慶南送電線路」が、来月初めに商業運転に入る。しかし新古里(シンゴリ)原発3・4号機で生産した電気を供給するという当初の計画とは異なり、すでに3~4年前から商業運転している新古里原発1・2号機で生産した電気を供給することになった。 試験成績書の偽造などで3・4号機の完工が遅延を続けているためだ。

 韓国電力公社密陽対策本部は28日「正確な日程はまだ決まっていないが、765kV新古里~北慶南送電線路」の商業運転を来月初め、遅くとも10日以前に始める事にした。電気は新古里原発3・4号機の代りに1・2号機で生産したものを北慶南変電所に送り、嶺南全域に送ることになる」と明らかにした。

  「765kV新古里~北慶南送電線路」は当初、蔚山(ウルサン)市蔚州(ウルチュ)郡の新古里原発3・4号機で生産した電気を慶尚南道昌寧(チャンニョン)郡の北慶南変電所に送るために建設されたが、電力・制御・計測ケーブルの試験成績書を偽造した事実が発覚し、該当部品の交換と再検証のために3・4号機の完工時期が遅延を続けると、すでに2011年2月と2012年7月から商業運転している新古里原発1・2号機で生産した電気を送電することになった。

 これに対して「密陽765kV送電塔反対対策委員会」は 「韓電は何年もの間『新古里3号機がもうすぐ完工されるが、密陽送電塔反対住民たちのために電気を送る事ができず、電力大混乱が憂慮される』と言って住民たちを圧迫し、途方もない苦痛に陥れながら送電塔と送電線路工事を強行してきた。ところが、いまだに新古里3号機の完工はいつという期限もなしに遅れている。完工済みの送電線路をずっと遊ばせておくこともできず、新古里3号機竣工遅延事態で自分たちに向けられる非難を負担に感じ、新古里1・2号機から電力を引いてきて商業運転に入るものと判断される」と明らかにした。

 また対策委は「密陽の送電塔反対住民は、今回の商業運転に特別な意味を付与しない。私たちは商業運転実施以後、電磁波と騒音測定など住民被害を独自に調査して積極的な請願申し立てを通じて対策を要求し、粘り強く闘う」と付け加えた。

 韓電は蔚山蔚州郡、釜山機張郡、慶尚南道梁山・密陽市と昌寧郡など5つの市・郡90.5キロメートル区間に送電塔161本を建て送電線路を設置する「765kV新古里~北慶南送電線路建設事業」を2008年に着工して昨年末に完工し、12月28日から試運転を行なっている。 この過程で密陽住民が2人自ら命を絶つなど住民が送電塔建設を阻むために激しく反撥し抵抗したが、韓電は公権力を動員して昨年6月11日、住民たちの座りこみ場を強制撤去し工事を強行した。

チェ・サンウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/693362.html 韓国語原文入力:2015-05-28 20:38
訳A.K(1485字)

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