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国家情報院の裁判官選抜介入規定に批判高まる

登録:2015-05-28 01:01 修正:2015-05-28 06:42
 「国家安全保障」名目で国家情報院に依頼
 最高裁自ら司法の独立性毀損
 「良心的・政治的見解を検証する可能性高い」
 ソウル弁護士会、当該規定に対する憲法訴願を検討
国家情報院に対する国会国政監査が行われた昨年11月4日、ソウル内谷洞の国家情報院庁舎前で職員が国会議員の到着を待っている=シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

 大法院(最高裁)が最近2年間、法曹経歴がある裁判官の任用候補者の個人情報を国家情報院に渡し「面接調査」を行うように依頼したことが明らかになったことで、大法院自ら司法の独立を毀損しているとの指摘とともに、裁判官の“良心の自由”を侵害する素地がある身元調査規定の改正を求める声が高まっている。

 27日、大法院の秘密保護規則と国家情報院保安業務規定によると、裁判所の行政処長は裁判官任用予定者の「国家に対する忠誠心・誠実さと信頼性」を調べるため、国家情報院長に身元調査を依頼するようになっている。調査の要請する際には、対象者名簿、身元陳述書、写真などの情報を一緒に提供するようにした。国家情報院は、国家観と職務姿勢▽遵法性と保安意識▽生活状態▽性格および行動・対人関係などを評価し、結果を大法院に送る。大法院は、当該資料を人事書類に添付して保管し、検討後、人事総括審議官が「国家安全保障に極めて有害な情報が発見されたとき」は、任用権者に任用保留を提案できる。身元陳述書には基本的な個人情報に加え、政党や社会団体に加入しているかどうか及び加入の動機▽北朝鮮及び海外移住家族・親族情報などを記載することになっている。

 これに対して大法院は「身元調査の目的に合致するように、『国家安全保障に対する危険性』の側面だけで判断材料として活用し、個人の価値観や政治的性向などは裁判官任用の審査資料として活用していない」と釈明した。

 参与連帯は声明を出し、「『国家に対する忠誠心、誠実さと信頼性』を調査するというのは意味が広く、多義的であり、結局良心や政治的見解を調査することに他ならない。憲法が定めた良心の自由の侵害につながる恐れがある」と述べた。

 数年前には民主労総法律院出身の弁護士が司法研修院在学当時の成績が5位以内に入っていたにもかかわらず、法曹経歴がある裁判官募集で脱落したことで、裁判所が政治性向を問題にしたのではないかという疑惑が提起された。

 判事の任用手続きや基準を隠す秘密主義が根本的な問題との指摘もある。ソウル地方弁護士会はこの日、声明を出し、「国家情報院が裁判官候補者を密かに面談して合格基準を話すということは、司法権の独立という憲法的価値を否定したことに他ならない。大法院は裁判官の任用基準を公開して、裁判官の任用においていかなる勢力や政治的立場も介入できないように関連規定を削除すべきだ」と述べた。ソウル弁護士会は、問題の規定に対する憲法訴願などの法律的な対応を検討している。

 民主社会のための弁護士会も声明を出し、「任用予定者ではなく、志願者を対象に身元調査をするのは違法性がある」とし「今回のことは、単純な規則違反を越えて国家情報院と大法院が憲法守護の責務を放棄した事件」だと指摘した。

イ・ギョンミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-05-27 21:40

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/693177.html  訳H.J

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