出動した警察官の身体に付着させ、事件現場を動画で生々しく記録する「ボディカム」(Body cam)が韓国国内で初めて導入された。
全羅北道地方検察庁は群山(クンサン)警察署が、警察官の勤務服の胸部にカメラを付けて事件現場を撮影する映像記録装備であるボディカムを、韓国で初めて導入し試験運用中だと25日明らかにした。
ボディカムは事件現場をありのままに録画して、警察官を罵ったり凶器で威嚇する公務執行妨害の現行犯を検挙し、暴行・強盗事件現場で証拠を確保するために活用される。 これまで警察官が個人の携帯電話で現場を撮影してきたが、不便な上に証拠確保に限界があったというのが警察の説明だ。
群山警察署は今月初めからボディカム4台を治安需要の多い羅雲(ナウン)地区隊など4カ所に1台ずつ配布した。 地区隊担当警察官は酔っ払いの暴力や被疑者の追跡などの刑事事件現場と災難現場に出動する際にボディカムを着用する。 カメラと着用バンド、メモリーカードなどワンセットで25万ウォン(約3万円)だ。 容量は32GB(ギガバイト)で1時間程度録画できる。
しかし、人権侵害などの弊害を憂慮する声もある。 イ・チャンヨプ参与自治全羅北道市民連帯事務局長は「警察は公務執行を名分としているが、各種の集会などで乱用する恐れがある。ボディカムの必要性に疑問を感じる。 私生活侵害と過剰使用などの恐れがあるので、明確な規定と防止策が必ず用意されなければならない」と話す。
警察は各種の法律検討を経て、用途、法的根拠、適用事例などを含む「ボディカム事前告知手続きマニュアル」を作ったと明らかにした。 撮影している事実をあらかじめ知らせマニュアルを厳格に適用して人権侵害を最小化するということだ。 また、証拠資料として活用する映像でなければ、必ず廃棄することにした。
キム・ドンソン群山警察署生活安全係長は「先月から米国で本格施行しているというニュースからアイデアを得た。 撮影の事実を先に知らせ、現場をありのままに記録するので、請願人と警察官が互いに気を付けることになる。 反応が良ければ拡大施行する計画」と述べた。