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世界の良心的兵役拒否収監者の92%が韓国人

登録:2015-05-14 10:07 修正:2015-05-14 12:14
国際アムネスティ「人権報告書」
全世界723人中669人
代替服務なく国連規定違反
13日午前、ソウルのプレスセンターで開かれた国際アムネスティの報告書「監獄になってしまった人生:韓国の良心に伴う兵役拒否」発表記者会見で、庄司洋加・東アジア調査官(中央)が取材陣に答えている=ノーカットニュース提供//ハンギョレ新聞社

 「学生時代に将来の希望をまともに書いて出したことなどありませんでした。どうせ大きくなったら監獄に行くのだから、書いたところでなんになるんだという気がしたからでしょう。だからといって将来の希望を監獄入所と書くわけにもいかないでしょ」

 信仰にともなう良心的兵役拒否者であるソン・インホ氏(26)は13日、「私を含めエホバの証人の家庭で生まれた男性は、母親のお腹の中にいる時から犯罪者になる」と語った。

 ソン氏は小学校の同じクラスの子供たちから「うちの母さんが言っていたけど、おまえは大きくなったら監獄に行かなきゃならないんだって」と言われ大きな衝撃を受けたと話した。現在、大学卒業を控えた彼は「その日の衝撃は、その後の私の人生の予告篇に過ぎなかった」と心の内を打ち明けた。

 青年になる過程でソン氏が出会った友達、教師、教授からも「勉強ができて英語が上手くなったって監獄に行くことになるのに、なんの意味があるんだ。前科者になれば就職もできないのに、大学に行って何をするんだ」と言われてきた。兵役法違反で1審で懲役1年6月を宣告されたソン氏は15日に控訴審宣告を控えている。

 キム氏(41)は宗教とは関係なく良心に従って「執銃」を拒否した予備軍訓練拒否者だ。2006年から予備軍訓練を17回拒否し、罰金1150万ウォン(約125万円)が宣告された。 追加で24回拒否したことに対しても懲役4カ月・執行猶予1年、罰金50万ウォン、社会奉仕240時間が宣告された。キム氏は「この期間に私と家族は言い尽くせないほどの苦痛に満ちた時間を味わった。現役と予備軍に対する代替服務制が導入されるべきだ」と訴えた。

 訓練を受けていた予備軍チェ氏(23)の銃器乱射事件が起きた13日午前、国際アムネスティはソウルのプレスセンターで良心的兵役拒否者などの人権状況を伝える報告書「監獄になってしまった人生」を発表した。庄司洋加(ひろか)・国際アムネスティ東アジア調査官が昨年10月から最近まで、韓国人良心的兵役拒否者10人とその家族、弁護士、学者、市民団体などを面接・調査した結果だ。

 国際アムネスティは「2013年を基準として全世界に良心的兵役拒否で収監された人は723人になるが、このうち韓国人が669人で92.5%を占める」と明らかにした。さらに「韓国には予備軍訓練拒否者も80人余りいるが、代替服務なしで兵役拒否者を監獄に閉じ込めるのは、国連自由権規約委員会で規定した思想・良心・宗教の自由に違反する」と主張した。

 国際アムネスティはこの日、全国の裁判所1審判事280人に同報告書と昨年憲法裁判所に提出した良心的兵役拒否に関する意見書を送った。

キム・キュナム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-13 19:59

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/691086.html 訳Y.B

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