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[ハン・ホング聖公会大教授インタビュー] 「MB執権後、軍隊内の人権は後まわしにされ…軍隊内死亡事故も減らなかった」

登録:2014-08-07 22:26 修正:2014-08-08 07:35
「強い軍隊育成が最優先課題に…社会全般の民主的ムード後退も影響」
ハン・ホング聖公会(ソンゴンフェ)大教授

「軍が外に見えるほど、軍隊内死亡事件は減る。」 ハン・ホング(写真)聖公会大教授は7日<ハンギョレ>との電話インタビューでこのように断言した。 ハン教授は2005年に一時的に運営された兵営文化改善対策委員会で民間委員として活動した。 <大韓民国史>等の彼の著書にも軍隊の話はしばしば登場する。 ハン教授は軍隊内事故を減らすことができる最も速い方法は、軍を外部に開放することだと強調した。 ハン教授は「維新当時は一年に1500人ずつ死んだ。兵士が死んでもマスコミには1行も報道されない時期だった。 後になって社会が民主化され軍隊内事故が言論に公開されて、死亡者数は10分の1に減った」と話した。 2003年以後、軍死亡者数は110~150人前後を記録している。 ハン教授は「一部では軍規が弱まったために兵士が自殺するのだと言うが、全くでたらめな分析」とし「すでに遅きに失したが、今からでも軍オンブズマン制度などを導入して、民間が軍をより確実に監視しなければならない」と話した。

 彼は今回のユン一等兵事件が発生した理由として、先ず政権の問題を挙げた。 ハン教授は「李明博政府など保守政権が執権した後、軍隊内の人権が‘とんでもない話’になってしまった」として「強い軍隊を作ると言いながら、それ以前の政府が推進した軍隊内の人権課題を完全に死蔵させたことが死亡事件が減らない理由」と話した。 彼は「民主政権時期には大統領が軍隊内の人権を強調し、進級に命を賭ける将帥たちもこれに気を遣わざるをえなかった」として、社会全般の民主的ムードの後退が軍隊内人権事故の根本土台だと説明した。 彼は社会が苛虐的に変わり、いじめ文化が登場した点も無視できない原因だと指摘した。 ハン教授は「かつては小さな部隊の雰囲気の方がむしろ良かった」として「最近になって期数列外・全裸体罰など人格的な侮辱を加える方法が登場し、28師団のユン一等兵事件や22師団のイム兵長銃器乱射事件などが発生したと見られる」と説明した。

 ハン教授は軍の隠蔽試図を減らすためにも軍の司法体系を変えなければならないと主張した。 彼は「私たちは(一般裁判所とは)別に軍事裁判所を設ける米国式軍司法体系に従った」として「しかしこれは海外駐留の多い米国式体系であり、韓国では小さな町にも検察と裁判所組織が用意されているので、あえてそうする必要はない」と話した。

 彼は根本的な代案として「兵士たちの権利を高めてこそ兵士管理も容易になる」として、兵士たちの処遇を高めることを主張した。 月給10万ウォン(約1万円)を受け取る兵士どうしが互いに管理し管理されれば結局は暴力につながらざるをえないということだ。 特に、ハン教授は「先端兵器で戦う現代戦で、兵士数を60万人で維持する理由はない」として「60万の大軍は軍の将星たちの既得権を守るためのものに過ぎず、実際の国防力を高めるためのものではない」と強調した。 彼は「代替服務制を積極的に導入し、自分で関心兵士になる素地が大きいと判断する青年たちには軍ではなく別の役割を果たせるようにしなければならない」として「盧武鉉政府の時に実施することにした制度が李明博政府になって死蔵されたことが残念だ」と話した。

チェ・ヒョンジュン、イ・ヨンイン記者 haojune@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/650321.html 韓国語原文入力:2014/08/07 21:19
訳J.S(1596字)

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