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北韓、会議中にチャン・ソンテクを連れ出す場面 異例的公開

登録:2013-12-09 22:17 修正:2013-12-10 07:57
連行されるチャン・ソンテク 北韓<朝鮮中央テレビ>は9日午後、ニュース時間に党政治局拡大会議でチャン・ソンテク朝鮮労働党行政部長の罪を明らかにし、決定書を採択した後に彼が軍服を着た人民保安員2人に連行される姿を放映した。 北韓が高位要人を粛清しながら現場で逮捕する場面を公開したことは異例的である。 朝鮮中央テレビ/連合ニュース

 北韓が8日、朝鮮労働党政治局拡大会議を開き "チャン・ソンテクをすべての職務から解任し除籍・除名する決定書が採択された" として、チャン・ソンテク行政部長の粛清を公式発表した。 北韓のNO.2として知られたチャン部長の突然の粛清は、北韓で金正日時代に終止符を打ち金正恩1人支配体制の幕を上げたことを宣言したものと分析される。

 2011年12月、金正日国防委員長死亡以後、金第1秘書は相次ぐ人事と粛清で父親の影を消し権力を強化してきた。 昨年7月、軍部実力者リ・ヨンホ総参謀長を解任したのに続き、今年4月パク・ポンジュ前内閣総理を再起用した。 ここに党内影響力が大きいチャン部長まで粛清することによって、党・軍・政の核心勢力を事実上全て交替した。 国家情報院は去る6日、国会情報委に「(金正恩体制で)党内副部長級以上40人余り、内閣で30人余り、軍団長級以上20人余りの交替があった」と報告した。

 チャン部長の粛清はNO.2を容認しない北韓政治権力の冷酷な属性を見せる。 しかし除去対象が金第1秘書の叔母の夫である点に照らして、今回の粛清は「挑戦勢力は親・姻戚も容認しない」という警告の意味が大きいように見られる。 <朝鮮中央通信>は今回の政治局拡大会議を報道しながら「唯一領導中心" 、 "唯一領導体系" 、 "金正恩同志の思想と領導" 、 "党中央決死擁護" 等、金第1秘書の1人絶対権威を強調した。

 チャン部長の罪目に反党反革命分派行為など公的犯罪だけでなく女性関係や賭博、麻薬、外貨蕩尽など個人不正にまで言及したことは異例的だ。 これは北韓指導部に対する不正腐敗や逸脱行為に対する警告とも解釈される。 また、北韓-中国関係の核心だったチャン部長によくある‘スパイ罪’や‘事大主義’を適用しなかったのは、中国指導部の気持ちを意識したものと分析される。

 今回のチャン部長粛清で当分は金第1秘書の権力に挑戦する勢力は現れないと展望される。 チョン・チョンレ民主党情報委幹事は6日、国家情報院報告を受けた後「金正恩1人に対する盲従ムード、そして幹部層を中心に忠誠競争が続くだろう」と伝えた。 しかしチャン部長の粛清で金正恩体制の不安定性が増大することもありうるという見解もある。 キム・ヨンス国防大学院教授は「金正恩が完ぺきな一人立ちをする時まで、チャン・ソンテクを十分に活用できずに退出させた側面もある。 状況をもう少し見守らなければならない」と話した。

 今後、金第1秘書の権力を支える勢力としては、2010年9月に金第1秘書とともに人民軍大将の称号を受けたチェ・リョンヘ、キョン・ミョンチョル、チェ・プイル、キム・ギョンオクらが注目される。 彼らはチェ・リョンヘ軍総政治局長をはじめとして党と軍の要職で活動している。 ここに今年4月国家安全保衛部長に任命されたキム・ウォンホン部長とパク・テソン党副部長など新進勢力が加勢していると見られる。

 金正恩体制が今後どんな対内外政策路線を歩むかは速断し難い。 ひとまず専門家たちの間では当分は核武力と経済建設並進路線など大きな枠組みの政策方向は変化がないだろうという展望が優勢だ。

 チャン部長の粛清を巡る北韓の報道では、政策路線と関連したいくつかの示唆点が目につく。 まず北韓はチャン前部長の罪目として "国の貴重な資源を安値で売ってしまう売国行為をすることによって、主体鉄と主体肥料、主体ビナロン工業を発展させることについての偉大な首領様と偉大な将軍様の遺言を貫徹できなくした" と明らかにした。 鉄と石炭など地下資源の過度な中国流出を警戒しながら自力更正、自主・自立経済路線を捨てないという意を表わしたのだ。 これは北韓の経済改革・開放が一層制限されるだろうと示唆したものと分析される。

 北韓はチャン前部長のまた別の罪目と関連して「党が提示した内閣中心制、内閣責任制原則に違反して、経済事業と人民生活向上に支障を与えた」とも明らかにした。 内閣中心制、内閣責任制は金第1秘書が昨年4月15日‘太陽節’演説ですでに明らかにした内容だ。 金第1秘書は当時 「経済事業で提起されるすべての問題を内閣に集中させ、内閣の統一的な指揮により解いていく規律と秩序を徹底的に打ち立てなければならない」として‘軍需産業優先’から‘人民生活向上重視’へ政策方向を切り替える意向を明らかにした経緯がある。 金第1秘書は今回このような原則を再確認しながら、2000年7・1措置の主役であるパク・ポンジュ総理に力を与えたと見られる。

パク・ビョンス先任記者 suh@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/614627.html 韓国語原文入力:2013/12/09 20:57
訳J.S(2206字)

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