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外交を自画自賛する韓国外相を与党セヌリ党まで叱責

登録:2015-05-02 07:32 修正:2015-05-02 08:43
安倍訪米を機に“孤立”憂慮が深まる中「韓米同盟アップグレード」と強弁
セヌリ政策委議長「周辺大国が大きく動き出しているのに、天秤にかけるばかり」
ユン・ビョンセ外交部長官=ニューシス資料写真

 安倍晋三日本首相の訪米を機に米日の戦略的接近が確認され、韓国の外交的孤立を憂慮する声が高まる中、与党も政府の“安易な”認識を叱責した。

 ユ・スンミン院内代表やウォン・ユチョル政策委議長などセヌリ党院内指導部は1日午前、国会でユン・ビョンセ外交部長官、ハン・ミンク国防部長官が参加する中で外交・安保党政調会議を開き、政府の外交戦略に対する強い憂慮を伝えた。

 与党は政府の戦略不在が韓国を孤立状態に追い詰めていると指摘した。ウォン議長は会議後、記者たちに「安倍首相の訪米を通じて明らかになった私たちの外交の戦略不在を叱責した」と述べ、周辺大国が国益と実利次元で大きく動き出しているのに、わが政府だけ北東アジア外交の荒波の中で、あれこれ天秤をかけるばかりで外交的孤立に陥ったのではないかと深い憂慮を伝えた」と明らかにした。安倍首相が米上下両院合同演説で過去の歴史に対する明確な謝罪の立場を明らかにしないことに関連し、韓日、韓米関係の現状を再点検する必要があるという声も出てきた。

 与党は改正された米日防衛協力のための指針に、朝鮮半島有事の際に日本の自衛隊が進入する問題に対し、「韓国政府の事前同意がなければならない」と具体的に明示されず、「第3国の主権に対する完全な尊重」と遠まわしに表現されたことに対し憂慮も提起した。ウォン議長は「有事の際、日本の自衛隊の朝鮮半島上陸を実際にどう防ぐかに関する具体的なアクションプランの用意も促した」と述べた。

 ユン・ビョンセ外交部長官は与党の叱責と批判に「そうした見解は過度な解釈」と反論した。米国の日本寄り姿勢に対する憂慮について「韓米同盟と米日同盟は相互補完的側面がある。これをゼロサム視点で見るのは望ましくない」と断じた。日本の朝鮮半島介入の憂慮については「私たちの事前同意なしでは、いかなる場合でも自衛隊の私たちの領土進入が不可能だという点に対し心配する必要はない」と既存の立場を繰り返した。また「中国とは建設的協力関係にあり、米国と原子力協定を改正するなど韓米同盟をアップグレードする状況」だとし、「(韓国外交は)中心を捉え揺らぎなく対処している」と自画自賛するかのような評価を下した。

 与党はユン長官の“馬耳東風”に不満気な態度だ。今後、党政調チャンネルを通じて外交・安保分野に対する牽制を一層強化する点を明確にさせた。ユ院内代表は「今日の会議を出発点として、党でも外交・安保への対処を始める」と述べた。党政調は協議後に資料を出し、「今日の議論を基に緊密に協議し新しい外交戦略代案を共に模索することにした」と明らかにした。

キム・ウェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-01 20:58

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/689437.html 訳Y.B

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