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京南企業前会長の捜査状況が大統領府に筒抜け…信頼性に疑問

登録:2015-04-13 23:38 修正:2015-04-21 12:44
特別捜査の「報告ライン」遮断が必要
ソン・ワンジョン前京南企業会長の葬儀が行われた13日午前、忠清南道瑞山市石林洞瑞山中央教会で葬儀礼拝が終わった後、運柩行列が墓地に向かっている 瑞山/イ・ジョンヨン先任記者//ハンギョレ新聞社

 「ソン・ワンジョンリスト」特別捜査チーム(チーム長ムン・ムイル大田(テジョン)地検長)が13日、公式発足した。検察首脳部は、今回の捜査チームを過去数回成功した特任検査のように運用し、国民が信頼できる結果を出すと約束している。しかし、検察内部では、キム・ジンテ検事総長が詳細な報告は一切受けないと宣言した上、捜査チームの独立した活動を保証しない限り、捜査の公正性と客観性を保つのは難しいとの指摘が出ている。 「報告ライン」が稼動すれば、捜査内容をいつでも把握できる位置に「ソン・ワンジョンリスト」に挙げられた主要人物が布陣しているからだ。

 検察は12日、特別捜査チームの構成を発表しながら、同捜査チームが大検察庁(最高検察庁)反腐敗部の指揮を受けており、キム・ジンテ検事総長に報告を行う方式で運用されることを明らかにした。特別捜査チーム関係者は、「全国検察はキム・ジンテ総長を頂点とした指揮・監督システムを持っている。中央地検とは別の捜査指揮体系ということ以外は、特別捜査チームもほかの検察組織と違いはない」と述べた。家宅捜索や口座追跡、主要な調査対象者を召喚するかどうかなど、捜査日程と手続きなど、ほとんど大検察庁に報告することになるという意味だ。

 このように、通常の事件の時と同じように、検察総長が捜査状況について詳細な報告を受けてから、法務部長官に報告すると、「ソン・ワンジョンリスト」に載っているイ・ビョンギ大統領秘書室長、李完九(イ・ワング)首相などが検察の捜査状況を手に取るように把握できるようになる。

 キム・ギチュン、ホ・テヨル、イ・ビョンギ...
 権力の核心人物が捜査対象

 特任検査式捜査掲げたが
 「反腐敗部門も総長に報告」を維持

 大検察庁反腐敗部→法務部→大統領府に
 民政首席、秘書室長に報告義務
 首相にも流れる可能性

検察の捜査情報報告体系 //ハンギョレ新聞社

 通常「大検察庁(反腐敗部)-法務部(検察局刑事企画課長)-大統領府(秘書室)」へと続く「報告ライン」に沿って捜査状況が報告されると、大統領府で最初に捜査状況を知ることができる人は、ウ・ビョンウ民政首席秘書官だ。彼は上司であるイ・ビョンギ秘書室長に報告する義務がある。また、法務部は李完九首相の統轄下にある内閣に属すため、首相が把握しようとすれば報告するしかない。さらに、李首相とファン・ギョアン法務部長官は、同じ大学(成均館大学)の出身でもある。ウ・ビョンウ民政首席が首相に捜査状況を知らせることもできる。

 また、大統領府に報告された事案は、政務首席など与党と繋がっている「ホットライン」を通じて、セヌリ党指揮部に伝えられる恐れもある。 「ソン・ワンジョンリスト」には、イ秘書室長と李首相以外にも多くの「親朴系側近」が含まれている。ホン・ムンジョン議員とユ・ジョンボク仁川市長、ソ・ビョンス釜山市長は皆、2012年の大統領選挙当時、朴槿恵(パク・クネ)キャンプで本部長級以上の役職を務め、選挙運動を指揮した。ホ・テヨル元秘書室長は言うまでもなく、最近秘書室長職を退いたキム・ギチュン前議員は、ウ・ビョンウ民政首席を大統領府に連れてきたほか、キム・ジンテ総長を推薦した人物でもある。実際に過去の「DDoS(分散サービス拒否)事件」の時、親朴系の主要人物の一人であるユン・サンヒョン議員が検察の捜査状況をことごとく把握しており、大統領府報告の内容を教えてもらったのではないか疑惑を持たれた。

 さらに、大統領府は、以前にも検察の捜査に「ガイドライン」を提示して問題になった。朴槿恵大統領は、「チョン・ユンフェ氏による国政介入疑惑」事件の捜査が進められていた昨年末、「これまで

“萬挽会”(朴槿恵大統領の隠密ラインとされる3人を指す)をはじめ、根拠のない話が多かった」「根拠のないことで国を揺るがすことはなくならなければ」などの発言を通じて、国政介入疑惑が事実ではないと釘を刺した。捜査が軌道に乗る前から、結論を事前に提示したのだ。

 検察もこれに応じるように文書流出を中心に捜査し、チョ・ウンチョン前大統領府公職紀綱秘書官とパク・グァンチョン前行政官だけを起訴するのに止まった。ソン前会長が自ら命を絶ったきっかけとなった京南企業の資源開発不正捜査も、3月12日に行われた李完九首相の対国民談話直後に始まった。検察が政治的上層部と絶縁した独立的な捜査機関として自らを位置づけるのに失敗してきたという意味だ。すでに「特別検事の導入」の声が高まっているのも、このような背景と無関係ではない。

 特別捜査経験が豊富なある検察関係者は「実際被疑者になるかもしれない人物が特別捜査チームの捜査状況をことごとく把握できるとしたら、その結果を国民が信頼するだろうか」とし「キム・ジンテ総長が『特別捜査チームの報告は受けない』と宣言することが、総長自身と捜査チームの負担を減らし、今回の捜査を成功させる鍵となる」と述べた。ある検事長出身の弁護士は「特別捜査チームが2004年大統領選挙資金捜査のように、国民の声援を受けるか、それとも過去の多くの特任検事・特別検事のように龍頭蛇尾という批判を受けることになるか、岐路に立たされた状況」だと述べた。

ノ・ヒョヌン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-04-13 21:02

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/686717.html  訳H.J

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