北中経済協力で中国を経験した労働者が増え
丹東の韓国人貿易商 5・24措置後に壊滅
南北経済協力再開の必要性が切実
「このままでは北朝鮮にますます親中国的な経済環境が造成されると思います」
チョン・ウニ慶尚大研究教授は数年にわたり中国の丹東(タンドン)で北朝鮮と中国の関係を調べた感想をこの一言に要約した。
「最近、朝中の経済協力が活発になり、中国式に適合した北朝鮮の労働者が量産されています。彼らは3年程度中国に派遣され、再び北朝鮮に戻ります。 このように中国を経験した労働者が増えれば、自然に北朝鮮の経済が中国側に一層なびくと思われます」。 チョン教授は丹東は朝鮮半島の過去はもちろん現在と未来までも見通せる空間だと強調する。 南北経済協力の唯一の経路である開城(ケソン)工業団地も一定程度閉じられた空間なのに反して、丹東は開かれた空間であるためだ。 特に日本の東北大学で開発経済学の博士学位を受けたチョン教授の立場からは、北東アジアを一望できる丹東が一層魅力的に感じられる。
「北朝鮮の市場で流通しているものはほとんどが中国からの輸入品です。 北朝鮮の市場だけを研究しても限界があります。 物流がどんな経路で誰によって入ってくるかが見えません。 そのような流れが分からなければ、北朝鮮経済の全体的な輪郭を捉えることは困難です。 丹東こそがこのような情報を把握できる場所なのです」。 チョン教授が最近関心を持っている北朝鮮の住宅市場関連情報も丹東は豊富に提供する。
「最近、北朝鮮で建築ブームが起きて中国建築材の輸入が大幅に膨らみました。中国のカーテン、オンドル床、壁紙などがダンピング価格で北朝鮮に大量に入るのを見れば、北朝鮮の住宅市場活性化が皮膚で感じられます」。 丹東はこのように豊富な研究資料を与えてくれるが、一方では遺憾を感じさせる空間です。 5・24措置の後、南北経済協力が断絶し、研究基地としての丹東の役割がより強化された側面があるためだ。
「以前は丹東に韓国人貿易商も多かったが、5・24措置の後ほとんど全滅した状況です。 そうした点で、逆説的に丹東にいると5・24措置が解除しなければならないという気持ちが一層募ります。 南北経済協力再開の必要性をここほど強く感じられる場所はありません」
文・写真 キム・ポグン ハンギョレ平和研究所長//ハンギョレ新聞社