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[週刊ハンギョレ21]親が非正規労働者なら、子供も非正規労働者になる確率は高い

登録:2015-03-12 22:58 修正:2015-03-13 15:15
 非正規雇用も相続されるのか?博士論文で初めて「実証」
 親子が正規・非正規67.79%に比べ、非正規・非正規77.78%
本人と子供の正社員への転換の可能性 //ハンギョレ新聞社

 非正規雇用という雇用形態も親から子へと受け継がれるのか?

 実際「富の相続」または「貧困の相続」というテーマは、聞き飽きたと感じられるほど、これまで多くの研究が行われてきた。親の世代の経済的地位が子供にどの程度、どのようなルートで受け継がれるのかは、その社会の原動力と社会統合のレベルを示す重要な指標(キム・フィサム韓国開発研究院(KDI)研究委員の「韓国の世代間経済移動性分析」)だ。

 高度の圧縮成長を経験した韓国社会では「鳶が鷹を生む」のが比較的に容易だった。家が貧しくても勉強ができれば、「身分上昇の太い綱」を掴むことができた。しかし、今はそうはいかない。 「金持ちのお父さん」がいなければソウル大学に入れず、良い仕事につけない時代だ。それだけ社会不平等が固定化され、階層移動のはしごが崩れたことを意味する。私教育市場の膨張により、親の経済力が子供の「人的資本」の形成に及ぼす影響力が大きくなったことも一因としてある。

 キム・ヨナ カール・ポランニー研究所研究委員(聖公会大学社会福祉学博士)が、2月に出した博士学位論文(「非正規労働者の職業移動の研究:世代内移動と世代間の伝承」)は、ここからもう一歩踏み込んで「非正規雇用の相続」を初めて実証した。

 これまでの相続の研究は、親の職業、学歴などだけに注目しただけで、親と子の「雇用形態」を変数として取り上げなかった。キム・ヨナ博士は、「父が非正規労働者であれば、子供も非正規労働に従事する可能性が高い」という仮説を立てた。そして、2006〜2013年行われた「韓国福祉パネル」の標本世帯2万1933人を基礎データとして活用して、満15歳以上の労働者のうち2年以上の経済活動をした親子間のデータがつながる5745組を選び出した。この中で子供が労働市場に初めて参入したときの職業的地位と当時親の経済活動の状態を結び付けられる1460組を詳しく調べ直した。

 すると、親が正社員の場合、子供が初めから正社員として就職した割合が27.4%、非正規労働者になった割合が67.79%となった。親が非正規労働者の場合には、子供の正社員就職率(21.62%)が6%ポイント近く低くなる一方、非正規雇用の就職率(77.78%)は10%ポイントほど高かった。

 キム博士は「正社員と非正規労働者に分かれた労働市場の分断が、世代内における個人の職業移動を制限するだけでなく、子供の職業的地位決定にも影響を及ぼすという点で、より深刻である」と述べた。

ファン・イェラン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.12 16:01

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/681942.html  訳H.J

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