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[記者手帳] 韓国環境部長官は在韓米軍のスポークスマン?

登録:2015-03-19 23:31 修正:2015-03-20 07:48
汚染修復せずに返還される米軍基地に関する長官の返答は…
汚染は米軍がしたが、浄化は誰がしようが関係ない?
近代的建築と緑地が接するソウル龍山の在韓米軍基地。都心の真ん中であたかも緑の島のように見える。 2016年の返還を控えて龍山基地跡の将来利用を巡る議論が活発になされている。 キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 「環境部にとり浄化はもっとも大切だ。 誰が浄化するかは二の次だ。 国防部が自分たちで浄化すると言うので、そのようにした。 原則的には(浄化の費用を)汚染原因者が負担するのが正しいが、(とにかく)土地所有者・管理者など誰かが浄化することになっている」

 最近政府が在韓米軍基地2カ所を米軍側から汚染修復せず返還を受けることにした環境部の見解を求めた記者の質問に対する、ユン・ソンギュ環境部長官の返答だ。 17日夜に開かれた就任2周年記者懇談会でユン長官のこの発言を聞きながら、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権以来最近まで米軍基地返還交渉に取り組んできた前現職の環境部職員たちの虚脱した顔が頭に浮かんだ。

 2003年から始まった韓米間で行われた在韓米軍基地返還交渉の最大争点は、修復すべき汚染の基準をどこに置くかだった。 韓米駐留軍地位協定(SOFA)の環境委員会で、韓国側代表である環境部の実務者たちは、早期返還を望む外交部と国防部のきつい視線を受けながら、国内法上の修復基準を貫徹させるために孤軍奮闘してきた。 しかし、外交部が主導するソファー(SOFA)合同委員会で最終妥結される交渉はいつも、「人間の健康と環境に対する公知の、緊迫し且つ実質的な危険(KISE)」のみを修復するという在韓米軍側の“勝利”に終わった。 韓国の基準値を数十倍超える汚染も、米側は KISE の基準に該当しないとして、修復することなく引き渡した。

 このような一方的な交渉においても、「汚染者による修復」という原則自体は問題になることが今までなかった。 ユン長官は、政治・外交的考慮により常に韓国側が汚染の修復を引き受けてきた現実を述べたとも言えよう。 しかし、交渉の主管省庁の責任者が公開的に口にすべき話ではない。 今後返還される27の在韓米軍基地にはソウルの龍山(ヨンサン)基地も含まれている。 本当の交渉はこれからなわけだ。誰が費用を払うにせよ汚染さえ修復されればいいと長官が言っているのに、環境部の実務者たちが米国を相手の交渉で、修復責任を強く要求し得ようか?

キム・ジョンス先任記者//ハンギョレ新聞社

 困難であっても環境部が「汚染者による修復」の原則を強く押し進めて行くべきではないかという質問に、ユン長官は「龍山基地には旧日本軍の建物を(今も)使用しているものが多い。 欧州であれば米軍の建物を“資産”と認めて、汚染修復と相殺してしまう」として、龍山基地の汚染修復を基地内の施設と相殺する案まで言及した。 ドイツの米軍基地返還事例を念頭に置いたと思われるこの発言は、韓米SOFA規定に合わないだけでなく、百歩譲ったとしても韓国の環境部長官が言うべきことではない。

キム・ジョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/682860.html 韓国語原文入力:2015/03/18 21:39
訳A.K(1341字)

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