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[社説] 韓米関係に傷を残す汚染米軍基地の返還

登録:2015-03-14 09:44 修正:2015-03-14 11:09

 政府は釜山(プサン)と東豆川(トンドゥチョン)の二つの米軍基地の返還で、米国側の環境汚染浄化がないまま受け入れることにしたという。このままでは油と重金属汚染を浄化するのにかかる莫大な費用を抱え込むことになる。同じことが今まで何回繰り返されたか分からない。2010年の釜山・ハヤリア基地の返還の時にも汚染処理費用で疑惑が持ち上がった。韓米両国が基地汚染処理の規則を定めたところで、米国が繰り返し無視するのがより大きな問題だ。形だけの規則であるなら強制性を持てるよう改正しなければならない。

 基地を使用して返還する場合、汚染処理の原則は明快だ。原因提供者の負担で汚染を除去するということだ。原則を適用しなければならない。環境資源の合理的な利用と配分制度を確立するのに有効な国際的慣例でもある。汚染処理費用には汚染防止、環境復元、被害者救済、汚染回避費用をすべて含まなければならないのが最近の流れだ。基地を提供したり返還する時、汚染させた側が汚染を除去する原則は韓米駐屯軍地位協定(SOFA)にも明示されている。

 問題は米国が様々な口実で原則履行を避けている点にある。両国は2007年に23の米軍基地を汚染浄化なく返還した後、悪しき前例が繰り返されないよう共同環境評価手続き書(JEAP)を作った。この手順に従って環境を評価した結果、二つの基地の敷地の半分近くでカドミウム、ふっ素、鉛などが危害を及ぼすレベルで発見され、危害度の判定を受けた。にもかかわらず米国が「人の健康に対する急で差し迫って実質的に広く知られた危険」ではないとして処理責任を回避したという。国際的慣例とSOFAの原則、共同環境評価手続きの趣旨を無視する措置である。他国の土地を借りて戻すのだから、仕上げをすっきりさせるべきなのに、そんな常識すら見当たらない。

 米国の言いなりになって陰で問題を隠そうとする外交部と国防部も問題だ。低姿勢と交渉力の貧しさを批判されて当然だ。韓米は五カ所の米軍基地返還を交渉中だが、まず二カ所をこのように処理することで合意したという。この他にも返還予定の基地が27カ所残っている。そこには広大なソウル・龍山(ヨンサン)基地も含まれる。決して小さな問題ではない。このような状態で密かに処理するのが正しいとは言えない。個別基地返還交渉を全面中断し、SOFAを改正して汚染処理の原則と具体的な手続きまで踏み込めるようにする新しいアプローチが必要だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.03.13 18:44

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/682162.html 訳Y.B

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