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[記者手帳] サムスン新体制は査察の悪習まで継承するのか

登録:2015-03-17 00:27 修正:2015-03-17 07:42
2012年2月21日ソウル中区獎忠洞のCJグループ イ・ジェヒョン会長宅付近で、同会長の車両を尾行したサムスン物産社員のキム氏がCJ社員の申告で出動した警察官の取調べを受けている。 写真CJグループ提供//ハンギョレ新聞

 3年前の2012年、新世界グループの高位役員がサムスン側から尾行された。 尾行に感づき自宅前で周囲の助けを得て警察に申告した後、身分を確認したところサムスンの社員だった。 新世界側は警察に告訴はせずに、サムスン側に警告のメッセージを伝えた。 ほぼ同じ時期、イ・ジェヒョンCJグループ会長がサムスン側に尾行された。 CJ側がわざと接触事故を起こし、警察への申告を通じて身元を把握したところ、サムスン物産の社員だった。 サムスン物産の監査チーム社員が、不法携帯電話とレンタカーを利用してイ会長を尾行していたことが検察の捜査結果により明らかになった。

 当時イ・ゴンヒ サムスン電子会長は、兄であるイ・メンヒ元第一肥料会長から告訴された。 借名財産の一部を返してほしいということだった。 以後、裁判所がイ・ゴンヒ会長の手を挙げたために何も起こらなかったが、サムスングループの経営権が動揺しかねない事件だった。このための危機感からサムスン側がイ・メンヒ元会長の息子であるイ・ジェヒョン会長だけでなく、他の兄弟の会社の財務担当役員までも査察したという話が出た。

 サムスンの査察は、会社が危機感を感じる時に主に起きた。 1990年代中頃、イ・ゴンヒ会長の自宅の隣家であるイ・ジェヒョン会長の自宅を監視できる防犯カメラ(CCTV)が設置されたことで問題になった時は、サムスンとCJグループの系列分離が進行中だった。 また、2003~2004年にはサムスンSDIの労働者が、死んだ人の名義を盗用した“不法携帯電話”を通じて位置追跡サービス“友達検索”で行跡を追跡された事実が明らかになったこともある。 監視を受けた労働者は、サムスンでダブー視される労働組合の設立を推進した人々だった。

 最近、再びサムスン社員による査察の事実が露見した。 今回は労組関係者だけでなく民間人も含まれていた。 サムスン物産の社員は民間人の自宅から彼が地下鉄に乗り株主総会の席に座るまで密着監視した。 時々刻々の動線から服装までをサムスン物産社員と保安警備業者エスワンの社員が共有した。 同じ時間に開かれたサムスンテックワンの株主総会に参加したサムスンテックワン労組の幹部も彼らの監視下にいた。 事実が明らかになると、サムスン物産はチェ・チフン代表名義で16日に謝罪した。 また、事件の責任者である住宅本部長を職務解任したと明らかにした。

イ・ジョンフン記者//ハンギョレ新聞社

 過去にサムスンは誤りに対し謝罪をしても、誤りを繰り返すケースが多かった。 査察責任者を昇進させたこともあった。 サムスンSDIで労働者に対する査察が行われたのに、当時責任者であったキム・スンテク社長はその後にグループのナンバー2である未来戦略室長にまで昇進した。

 サムスンは昨年5月にイ・ゴンヒ会長が病に倒れて以来、イ・ジェヨン サムスン電子副会長が経営の前面に出た状態だ。 今後経営権を継承して“イ・ジェヨン体制”が公式にスタートする予定だ。 彼の肩にはグローバル企業を成長させることはもちろん、査察、無労組などの悪習と決別する課題もかかっている。 サムスン未来戦略室が「起きてはならないことが起きた」と反省したように「起きてはならないことが起きないようにする」べきだ。

イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/682504.html 韓国語原文入力:2015/03/16 21:24
訳J.S(1591字)

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